歩む道。2

94 ページ44

「西島さんのやり方が、
全て正しいとは言えないかもしれないです。

でも。

それに応えられないのなら、
その理由や原因をちゃんと伝えるべきです。


彼はそれがわからない人じゃありません。
ちゃんとした理由があれば、
自分の意見を変えることができる人です。

それをしないで、嫌い、で済ませるのは
おかしい…っ」


おかしいと思うと言おうとしたところで、


唐沢「うるさいっ！」


大きい声を出されて、びくっとする。



唐沢「こんなことする理由なんて聞かれても、
何もないかもしれない。


でも
やめる理由もない。」



そうつぶやくように言う唐沢さん。



「何が、あったんですか？」



唐沢「そんなこと、説明する必要ない。


とにかく。


今ここで。写真ばらまくか。
Aちゃん次第だよ。


一緒にくるなら、
今、目の前で写真、消してあげる。


西島を守る？
それとも
傷つくの、見てる？


まあ、これが事務所に知れたら、
マネージャーもクビだろうけどね。」



私は…。



「どっちも、選びません。


そんな写真に
西島さんは負けない。」



ずっと考えてた。
なんで、唐沢さんのことを言わなかったのかと
西島さんに聞かれたその日から。


西島さんの枷になりたくない。
悩ませたくない。


そんなの、私の勝手な思いだった。



「その写真で、
何か西島さんのことがわかりますか？

私の大好きな人は。
弱いとこもたくさんあって、
私がいないとだめなとこもたくさんある。


でも。
AAAの西島隆弘やNissyは違います。
積み重ねたものが違うんです。



甘く見ないでください。」


手の中のスマホを握りしめる。
どうか、私の想いが届きますように。



「写真は唐沢さんの好きにしてください。

もしそれで処分を受けるなら、
私だけのはずですから。

貴方の思うとおりにはならないです。」



怖い思いが無くなったわけじゃない。
だけど。
西島さんの想いは、ちゃんと届いてますって、
どうか、伝わりますように。

そんな気持ちで言葉を紡いだ。


その時。


西「Aっ！」


大好きな人の声が聞こえた。

95→←93

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す