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「来夢、Aさんに報告したのか？」
誰かが言った。
片山は決勝で上出来の演技をし、入賞を果たした。高校生からスノーボードを始めた片山が入賞したことはとても素晴らしいことなのだが、やはり悔しさが残った。
前回オリンピックでメダルを取った平野歩夢が、このハーフパイプ史で最もハイレベルな試合を繰り広げ、その中で着実にメダルを取ったことである。始めはもちろん憧れで、追いつきたいと思っていた。しかし最近同じ舞台に立てるようになり、やはり追い抜きたいと思った。来夢はおこがましいと思いながらも平野をライバルとし、自分を奮い立たせてきた。平野がメダル確実候補なのは知っている、では自分もメダルを取ってやろうじゃないかと意気込んでいたのだ。入賞できて嬉しくないわけではもちろん無い。ただ、惜しい時ほど後悔がひどく押し寄せてくる。
この時に片山は誓った。
俺はメダルを取るまで、
スノーボード以外は考えないことにする。
「Aちゃんには報告したよ。告白もした。案の定フラれたけど…俺はこれからスノーボードだけに打ち込むことにしたよ。」
平野がメダル獲得後、忙しなくしている時に片山はAと会っていた。入賞おめでとう、と優しく微笑んでくれたA。好きだなぁと感じて告白をした。正直、フラれるだろうと思っていた片山だったが、いざ返事を待ってみると期待のほうが大きかった。
もしかしたら、という期待と不安が五分五分だった。
『えっと…来夢くんは良い人だし、楽しくて元気もらえる人で、すごく話しやすい友達だと思ってます。ごめんね、期待に添えなくて…』
「…ううん、予想はしてた。困らせてごめん、けどこれで決意が固まったよ。ありがとうAちゃん」
『決意って…？』
「更にスノーボード漬けになる決意！4年後、表彰台の一番高くに居るのは歩夢くんじゃなくて、俺になるように。Aちゃんにフラれなきゃ誓いが出来なかったからね！」
そう言って二人で笑った。
Aちゃんに言ってもらう頑張ってね、は俺の中でずっと忘れずに仕舞っておこう、それを糧に俺は、やる。平野歩夢を越してみせる。
片山はギラギラとした瞳で今後の生活を送っていくのだった。
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yara - kanadeさん» ありがとうございます。そういうお話しが書けるようこれからも頑張ります。 (2018年3月13日 22時) (
レス) id: 0e857c8a37 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - すごくキュンキュンしました! (2018年3月11日 23時) (レス) id: c9d57448f4 (このIDを非表示/違反報告)
yara - サナさん» ありがとうございます。がんばります！ (2018年3月11日 23時) (レス) id: 0e857c8a37 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 続き気になります！更新頑張ってください (2018年3月11日 22時) (レス) id: 32edee0000 (このIDを非表示/違反報告)
yara - kanadeさん» ありがとうございます。すべて未定で好きなように書くだけなので、あまり期待せずにお待ちください。 (2018年3月9日 23時) (レス) id: 0e857c8a37 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年2月19日 23時
