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今日のAは忙しかった。
皿洗いの担当になってしまった今日は、クタクタになるまで使い古されていた。
(洗うものと洗ったもの、ラックに入れて運ぶのが結構しんどい…明日は筋肉痛だなあこれ、)
忙しない中、やっと休憩をもらったので部屋で寛ぐことにした。ふらふらと歩く姿は、残業によって完徹でもしたかのような不憫さが滲み出ていた。
「Aちゃん!?」
「わ、顔色悪いよ!大丈夫?」
『あ、こんにちは…えと、ちょっと休めば大丈夫です…』
「…」
出くわしたのは片山と戸塚、そして平野だった。確かにAの顔色が良くない。部屋までどれくらいなのか知らないが、このフラつき具合だと近くで少し休んだほうが良さそうに見えた。
「医務室行きましょう」
うるさいラウンジで、凛とした声だけが聞こえた。
「すぐ行ったとこなんで」
『平野さん、』
「俺は先行って医務室の人に話しておくから、来夢と優斗、その人連れてきて」
「、歩夢くん」
片山が呟くように発した言葉をかき消すように背中を向けて歩いていった平野。片山が焦りながら見たAの瞳は、
平野の背中だけが映り込んでいた。
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yara - kanadeさん» ありがとうございます。そういうお話しが書けるようこれからも頑張ります。 (2018年3月13日 22時) (レス) id: 0e857c8a37 (このIDを非表示/違反報告)
kanade(プロフ) - すごくキュンキュンしました! (2018年3月11日 23時) (レス) id: c9d57448f4 (このIDを非表示/違反報告)
yara - サナさん» ありがとうございます。がんばります! (2018年3月11日 23時) (レス) id: 0e857c8a37 (このIDを非表示/違反報告)
サナ - 続き気になります!更新頑張ってください (2018年3月11日 22時) (レス) id: 32edee0000 (このIDを非表示/違反報告)
yara - kanadeさん» ありがとうございます。すべて未定で好きなように書くだけなので、あまり期待せずにお待ちください。 (2018年3月9日 23時) (レス) id: 0e857c8a37 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2018年2月19日 23時