【テニプリ】ウチの兄が授業参観とか運動会とかで目立ちすぎて困る件について。【幸村精市】

幸村妹の憂鬱：7 ページ9

で、何故こうなった。


場所は、渋谷。


隣には私服の精市。


目の前には、大都市。


何故こうなった。というより何故私をここに連れてきた、精市。


こんなところ彼女とでも来てくれ。


というか、いい加減妹離れしてくれ。


精市なら彼女なんてすぐできるだろう。


『……なんで渋谷。』


幸「いやー、クラスの女子が渋谷とか原宿って単語をよく出してたから。

それに、ＴＶで良く見るし。」


なんて適当な知識だろう。


いや、間違ってはいないんだが。


『近場のショッピングモールで良かったじゃん。』


幸「せっかくだし遠出くらいしようよ。」


暇人が。


そんな暇あったら彼女でも作ってくれ頼むから。



＊



にしても、人混み凄いな。


ていうか、ファッションセンス疑う人がちらほら。


……なんであの人はラジカセ持って歩いてるのだろうか。


私のような純粋な神奈川県民からしてみればおおよそ東京都民の思考は分からない。


こんな変なのが主流なのだろうか。


………こんな服買われたら嫌だ。






というか、絶対に……………


「あの、そこのお兄さん！」


スーツ姿の男が声をかけてきた。精市に。


幸「……何ですか？」


流石にいきなり話しかけられて驚いたのか、精市も困惑した表情。


あぁ、これはもしかして………


「私、○○芸能事務所という会社の者ですが………

良かったら、モデルとしてウチで働きませんか？」


あー…………やっぱり。


渋谷という場所には生まれて此の方11年間来たことが無かったのだが、なんとなく想像はしていた(恐れていた)。


というか、精市ほどのルックスの持ち主を芸能界が放っておく筈がないのだ。


たまたま普通の街に生まれ、たまたまそう都会ではない中学校に行っていた為、目を付けられなかっただけであって、まぁ、自然な成り行きだろう。


私的には、そんなところへ行って欲しくない。


別にお兄ちゃんがいなくて寂しい的な可愛い女の子の思考ではなく、知り合いからの
「Aちゃんのお兄ちゃんってモデルだよね！」
とかいう事で一々喋りかけて欲しくないのだ。


この上なく面倒くさい。


だが、この心配はいらない。


何故なら…………


幸「……すいません。俺そういうの興味ないんで。それに俺＿＿＿＿＿＿


まだ中学生ですし。」

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