幸村妹の憂鬱:17 ページ19
〜2時間目・国語〜
先生「はい、日直さんお願いします。」
その悪夢の時間は、優しそうな先生の一言から始まる。
日直「きりーつ、
礼!」
「「「『よろしくおねがいします』」」」
日直「ちゃくせーき!」
ガタガタッ、と軽く音を立ててみんなが座り始める。
先生「みなさん!今日は御父兄の方々がみなさんの授業を見に来てきます。
でも、緊張せずにいつもどおり授業を頑張って受けて下さいね!」
先生の目線の先、生徒の席のさらに後ろを見ると、ずらっと並んでいる大人たち
。
その中には勿論…………
精市も。
あろうことかこのバカは、どの親御さんたちよりも早く教室に入ってきて、私の席がある列の真後ろを早々に陣取ってきた。
丸「お前の兄ちゃんいるな。」
『……ハァ。』
*
先生「はい、では、ちいちゃんのかげおくりを読んで思ったことをノートに書いて下さい。」
思ったこと、ね。
うーん、
…………ざわ・・・ざわ・・・
女子1「ねぇねぇ、あの後ろの人、すっごいかっこよくない?」
女子2「あ、それ思ってた!モデルみたい!」
女子1「誰の………おと……お兄ちゃんかなー?」
うわ、きた。
絶対精市のことじゃん。
もう聞きあきたよその会話。
こういう自分達で考える的な時間のあるあるなヒソヒソ声。
女子3「え、知らないの?あれ、幸村さんのお兄ちゃんだよ。」
やめろこっちに目線を集めるな。
と内心で唱え続けたが、案の定降り注ぐ女子からの目線の矢。
丸「これかよぃ、お前が嫌なのは。」
『ご名答。』
項垂れる私に声をかけてくる丸井。
授業中喋っていることがバレると当てられてしまうので、私は振り向かないまま応じる。
女子4「ねぇねぇ、幸村さん。あの後ろの人幸村さんのお兄ちゃん??」
『…うん。』
斜め前の女子が喋りかけてくる。
女子4「すっごいかっこいいね〜、いいな、かっこいいお兄ちゃんって。」
『そうでもないよ。』
当の本人の方をチラッと振り向くと、
すっごいニコニコ顔でこちらを見ている。
今すぐ帰ってホントお願いします。
………この教室内の女子という女子、女性という女性の目線がウチの愚兄の元へ注がれていくのを感じる。
しかし、何故女子達はキョロキョロしていて怒られないのかというと、
…………咎める側の先生までも精市に釘付けだからだ。
『……全く。』
そして件のお調子者・山田君が騒ぎ始める。
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アノイ(プロフ) - 詩音さん» 読んで頂きありがとうございます!これからも更新頑張ります!よろしければ新作のほうも宜しくお願いします! (2016年5月5日 21時) (レス) id: ae98bc0b7e (このIDを非表示/違反報告)
詩音 - とても面白いと思います!!これからも頑張って下さい!応援してます!! (2016年5月5日 21時) (レス) id: 859ef37649 (このIDを非表示/違反報告)
アノイ(プロフ) - まよさん» 読んで頂きありがとうございます!これからも更新頑張ります!マイペースのろのろ更新ですけどw (2016年5月5日 18時) (レス) id: ae98bc0b7e (このIDを非表示/違反報告)
アノイ(プロフ) - 朱風さん» 読んで頂きありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2016年5月5日 18時) (レス) id: ae98bc0b7e (このIDを非表示/違反報告)
まよ - とっても面白いと思います!!更新頑張ってくださいね。 (2016年2月28日 23時) (レス) id: 2175614ade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アノイ | 作成日時:2014年8月5日 21時