【あやかしお宿に嫁入りします】津場木史郎の孫とひ孫

花びらが３９枚 ページ40

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『あ、そうだ』





私はカバンの中をあさる





葵「？どーしたの？」





先程まで鏡の前で自分の着物姿を見ていた葵がてくてく寄ってきた





『んー？確かこの辺りに…』





ガサゴソ





しゃらん…





『あ、あったあった』





私はカバンの底にあった大旦那から貰った椿の簪を取り出す





葵「あ！かんざし！」

『つける？』

葵「つけてつけて！」





ぴょこぴょこ跳ねまわる葵を座らせて綺麗なお団子をつくる





そこに大旦那から貰った椿の簪をゆっくり差し込む





『はい、できたよ』

葵「！」





私がそう言うと葵は一目散に鏡の前へ駆け出す





葵「すごい！おかあさんとおそろいだ！」

『ふふ、そうだね』





私に向かって笑顔で一生懸命話す葵





『銀次さんに見せる？』

葵「！うん！」





葵に犬の耳と尻尾が見える…





葵「きつねさん！」





葵はカウンターで首を捻っている銀次さんに声をかけた





銀次「！葵ちゃん？可愛いね、似合ってますよ！」

葵「えへへ、ありがとう！」





照れてくねくねしてる葵、銀次さんやるな…





『よかったね、葵』

葵「うん！」





太陽のような眩しい笑顔を振りまく葵、将来天然タラシになるんじゃ…

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