【あやかしお宿に嫁入りします】津場木史郎の孫とひ孫

花びらが２８枚 ページ29

，





コンコン





入口の方から襖を叩く音が聞こえた





『？はい、どちら様でしょうか』

銀次「Aさん、銀次です！入ってもよろしいでしょうか？」

『！銀次さん？どうぞ』

銀次「失礼します」





こんな時間になんの用だろうか…仕事もあるだろうに





銀次「お腹が空いてるのではないかと思いまして…」





そう言ってお盆を私の前に置いた、その上に乗っていたのは





『！おいなりさん？』

銀次「はい！よろしければどうぞ」

『いいの？』

銀次「もちろん！Aさんの為に作ってきたので、むしろ食べてください」





私はたまらずおいなりさんに手を伸ばす





『いただきます』

銀次「召し上がってください」





！美味しい！そういえば今日はなにも食べてない…朝から手鞠河童たちに朝ごはんまで取られたからな





お皿に乗っていた３つのおいなりさんはあっという間に私のお腹の中に収まってしまった





『ごちそうさまでした』

銀次「お粗末様です」

『銀次さんありがとう、朝からなにも食べてなくて私死にそうだったの…』

銀次「いえいえ！むしろこんな物しか作れなくてすみません」

『そんなことないと思う、すごく美味しかった、本当にありがとう』微笑む

銀次「ッ！で、では私はそろそろ仕事に戻りますね！/////」





顔が真っ赤になっている、風邪？





『わざわざ寄ってくれてありがとう、仕事頑張れ』

銀次「はい！それじゃあAさん、おやすみなさい」

『おやすみなさい』





そう言って私は布団に潜った





食べ物を口にしたからか先程とは比べ物にならないくらいの眠気が私を襲った





それに逆らうことなく私は瞼を閉じた

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