【あやかしお宿に嫁入りします】津場木史郎の孫とひ孫

花びらが１５枚 ページ16

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『なぜ？』





大旦那「きっと葵は君に出会えたことを君よりも喜び、そして感謝している。本当の母ではないのに本当の母以上に自分を愛し思ってくれている、自分の母からは貰えなかった愛というものを貰えて葵が君に感謝しないわけがない」

『…ふふ、たまにはいいこと言うのね』





ちょっと泣きそう…





大旦那「ようやく笑ったな、やはりAには笑顔が似合う」

『？』





さっきのような胡散臭い笑みではない、自然な笑い方に少し疑問を抱く





大旦那と私は昔どこかであったことがあるのか？





『…ねぇ、大旦那』

大旦那「なんだい花嫁殿」

『…やっぱりなんでもない、っていうか花嫁になる気はないって言ってるだろ』

大旦那「簡単に気を許してはくれないようだね」

『当たり前でしょ、あと他に聞きたいことは？』





そうだな、と顎に手を当てて考えるそぶりを見せる大旦那、そんな姿もイケメンなら様になるのな…





大旦那「君と似たような子がいたことを知っているかい…？」

『似てる…？私みたいに人から鬼になったってこと？それなら１人知ってるけど』





きっと茨木 真紀、もとい茨木姫のことだろう





彼女も私と同じように昔人から鬼に成り代わってしまった人物だ…まぁ私と違って彼女は１５になった時に鬼になったらしいが…





彼女は平安時代にあやかしの国を作った酒呑童子の妻、茨木童子だったのだが転生して現在は浅草で高校生生活を謳歌している





大旦那「！そうか…ならよかった」

『なにが？』

大旦那「君みたいな例は珍しいからね、少しでも分かり合える人がいるだけで心が安らぐだろうと思って紹介しようと思ったのだが、その必要はなかったようだな」





真紀と知り合ったのは小学生の時だからな…





というかなぜ大旦那はここまで私のことを心配してくれるのだろう…？

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