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気まずい沈黙の中で、くう…と気の抜ける音。
「あ…へへ。鳴っちゃった」
恥ずかしそうにお腹を抑える先輩に未だ無くせない恋がざわめく。
「……私、寝坊しちゃって。早く行って 朝食のお手伝いしなきゃ」
もういいよね？
二人きりなんてムリ。
「あー、そう言えば清水ちゃんが “大丈夫だからゆっくりでいい”って伝えてって言ってた」
「でも、」
「松潤と2人で楽しそうだし、まかせとけばいいよ」
「…そ、ですか」
だとしても、先輩がここでゆっくりする理由はないのに
「足、痛い？」
「いえ、」
「そか、よかった」
「…」
謝罪が目的なら、もう済んだはず
「朝メシ食べたら相葉ちゃんが持ってきたコメディ映画 観ようって。絶対笑えるヤツなんだって」
「そう、なんですね」
「Aちゃんはコメディ好き？」
「はい、まあ」
いい加減イラついて、でも表情には出せなくて
「そっか。よかった。じゃあ今日は大丈夫かな」
「何がですか？」
だけど多分
意味不明なこと言う先輩を見る目に怪訝さは隠せてない。
「ん…？
ああ。だから今日はAちゃんの笑顔 見えるよね、って」
「…」
……私はまだ表情を作れてる？
「みんな気にしてた」
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私が笑えてないとしたら、その理由なんて1つしかない。
こんなことが言いたくて先輩は
“朝食できたぞー”
松本先輩の声。
「行こか」
「…先、行ってください。すぐ行きます」
声が、震えてる。
「じゃ、先行ってんね」
「はい、」
先輩が部屋を出てくのを見送って、私はゆっくりその場に座り込んだ。
「……がんばってるつもり、なんだけど…な」
先輩の前では泣かないことだけで精いっぱいなのに、ホント無理なこと言う。
笑え、って。
私はもっと、がんばらなくちゃいけない
「A？！足 痛いの？」
開きっぱなしのドアから顔を覗かせたよっちゃんは
座り込んだままの私に驚いて駆け寄ってきた。
「ううん、…大丈夫」
「あっ、そんなに急いで立たなくていいから！
朝食運んできたから、私たちはここで食べよ？ね？」
ワゴンの上には2人分の朝食。
「だけど、」
「松本先輩がそうしろって。
ほら見て見て！食後のデザートもくすねてきちゃった。へへ」
「…ふふ」
笑わなきゃって思うのに笑えない。
私は精いっぱいに笑ったフリをした。
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yuihibiki(プロフ) - ちょこたろーさん» 人それぞれですよね。さまざまな出来事に対しての感じ方も受け取り方も、私の書いたあいさつ文に当てはめる情景も。このオハナシがどんなリハビリになってるのかは分かりませんが、完結までもう少しお付き合いくださいませ。 (2019年11月17日 21時) (
レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
ちょこたろー(プロフ) - いつも読ませてもらってます。挨拶にある今の気持ちが、うなずけすぎて思わずコメントさせてもらいます。飲み込めていないことが多すぎてやっぱり正月から止まってる。流れはね頭で受け入れているんだけど心はねもう容量オーバーで。だからこのお話が私のリハビリです。 (2019年11月14日 15時) (レス) id: c8a1445fc4 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - さわさん» この大野先輩は主人公ちゃんにとってなかなかキツイよなあーって思いながら書いてますけど、しばらく？ずっと？こんな感じでいくことになりそうです(^_^;) (2019年11月10日 9時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - きっとニヤニヤしてしまう展開が待ってるんだろうけど、主人公ちゃんの心が苦しそうで悲しくなります。大野先輩お願いしますよ〜。 (2019年11月9日 16時) (レス) id: 759a393a86 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - nyurika513さん» ありがとうございます（笑） (2019年11月2日 0時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuihibiki
| 作成日時：2019年9月23日 0時
