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なんでこの人に説明しなきゃいけないんだろ？
「…せめて呼吸くらいはできるようになりたいってだけで、」
「は？」
「いつも通りができるように…なりたいから」
「そのカッコがいつも通りじゃねえだろ」
「…」
まじまじと見られると、さすがに恥ずかしい。
私は気まずくてそっぽを向いた。
「もう一回聞く。何があった？」
「ですから別に…。何も、大したことは」
「ウソつくな」
「ウソじゃないし、」
「目泳いでんぞ」
「…」
「A」
ビクンとした。
普段 私のことは苗字でしか呼ばないのに。
それに普段キンキンと響くくらい高い声色がほんの少しトーンを下げただけで、変に凄みがあって
多分、相当 私にイラついてる。
意味が分からない。
私だってMaxにイラついてるんですけど。
「…」
立ち止まる私たちの脇をヒールの音を立てながら駆け上がっていく女のコたち。
次の授業は席が後ろから埋まってくから早く行かないと。
教授の真ん前に座ることは絶対に避けたい。
…ため息しか出ない。
「告白…したんです」
「…」
「表情すら変えず一言、ありがとう…って言われました」
「…」
「…本気で迷惑でしかなかったみたいです。
ならバッサリいってくれないと終われないのに」
「…」
「“何があった”と問われるなら、ただフラれたっていう事実だけです」
「…」
「今はどうしても終われない。ただそれだけのことです」
そう。それだけ。
私は終わらせてさえもらえなかった。
「ありがとう、…ね。他には？」
「何も。完結です」
「…」
こんなミジメなハナシ、平気な顔でなんか話せない。
歪みに歪んだ顔で唇を噛み締める。
…本当にミジメだ、私。
「その相手、ってダレ？」
この人、デリカシーなさ過ぎ。
そこまで話す気は無い。
話せない。絶対。
話せるわけがない。
ムカつきはMax。
それでも 必死に気持ちを平常心に抑える。
「ご迷惑をおかけするつもりはありません。
ですから私のことは放っておいてください」
「ふん。そんなかっこうじゃ サークルの活動はムリだろうが」
「もちろん、サークルへは露出ゼロで出席します。
いつも通りに」
それなら文句はないでしょう？
あの時間にオトコホイホイなんか必要無いもの。
「“いつも通りに”？“もちろん”？」
「はい」
「…」
「失礼します」
私は先輩に頭を下げ、逃げるように階段を降りた。
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yuihibiki(プロフ) - ちょこたろーさん» 人それぞれですよね。さまざまな出来事に対しての感じ方も受け取り方も、私の書いたあいさつ文に当てはめる情景も。このオハナシがどんなリハビリになってるのかは分かりませんが、完結までもう少しお付き合いくださいませ。 (2019年11月17日 21時) (
レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
ちょこたろー(プロフ) - いつも読ませてもらってます。挨拶にある今の気持ちが、うなずけすぎて思わずコメントさせてもらいます。飲み込めていないことが多すぎてやっぱり正月から止まってる。流れはね頭で受け入れているんだけど心はねもう容量オーバーで。だからこのお話が私のリハビリです。 (2019年11月14日 15時) (レス) id: c8a1445fc4 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - さわさん» この大野先輩は主人公ちゃんにとってなかなかキツイよなあーって思いながら書いてますけど、しばらく？ずっと？こんな感じでいくことになりそうです(^_^;) (2019年11月10日 9時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - きっとニヤニヤしてしまう展開が待ってるんだろうけど、主人公ちゃんの心が苦しそうで悲しくなります。大野先輩お願いしますよ〜。 (2019年11月9日 16時) (レス) id: 759a393a86 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - nyurika513さん» ありがとうございます（笑） (2019年11月2日 0時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuihibiki
| 作成日時：2019年9月23日 0時
