異世界から来た少女【降谷 零】

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降谷side



最初は驚いていたがすぐに大人しくなり



それどころか温風が心地よかったのか眠そうにしていた



しっかりと乾いたのを確認して櫛で解かしてやる




この子の髪質いいな



その本人は今にも寝そうになっていたが





「終わったぞ」





『ん、ありがと…』




「僕も風呂に入ってくるから寝るならあっちで寝ろよ」




ベッドを指差して言い風呂場に向かう



なるべく急いで出るか




出ていく可能性もあるからな…





ものの10分で戻れば少女は先ほどと同じ場所




つまり床だ



床で寝ていた





「おい、寝るならあっちで寝ろと言っただろ」




声を掛けても返事はない




起こさないように横抱きにしてベッドに運ぶ




こうして見ると幼い少女だな



小柄だし




こんな子が世界の為にボロボロになる必要があったのか？




いや、世界そのものが違う




こっちの当たり前は通用しない





この子は帰りたいと一言も言っていないが


実際は帰りたいはずだ




力になってあげたいがこればかりはどうしようもない





眠る少女の頭を撫でてから離れようとしたとき




少女に服を捕まれた




寝ているはずだが…？




耳を澄ましても寝息が聞こえるだけ





「行くなってことか？」




さすがに一緒に寝るわけにはいかない




だが離してくれそうにもない




仕方がない、離してくれるまで待つか







結局いつまでたっても離してはくれずベッドにもたれ掛かって寝るしかなかった

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