人見知り少女は多忙だそうで…？

46話 ページ47

翌日、朝から試作と改良を進めています。



貴『これでどう？』



幼い頃から傍らにいる人物に感想を求める。



「少し甘味が強いかと、柑橘類を混ぜてみてはいかがでしょう？」



私の立場上あまり意見を言う人は多くない。

むしろ数人しかいない。

使用人ともなれば尚更。

でも、この人は私の立場なんて関係なく率直な意見と提案をしてくれる。



勿論、出された提案は全て試す。


再度作り直してまた確認。

それの繰り返し。



貴『これならどう？』



「良いと思いますよ、流石お嬢様すぐ行動なさる」



貴『当たり前でしょう？』



「そうそう出来ることではありませんよ
あとは盛り付けですか？」




貴『あとこれに合うソースね。
何種類か用意したから感想お願い。』




「お任せください」




そう言って全て試食しているのを見てふと思う。



貴『今更なんだけど…。』




「はい？」



貴『この数時間でも沢山試食してもらってるけど、嫌にならないの？』




「………は？」



珍しい、何言ってるんだという顔をしている。



「失礼、本当に今更ですね」



貴『だから今更なんだけどって言った。』




「嫌なわけないじゃないですか
まぁ、カロリーは気になる時もありますが…」



貴『気にしてるのね…。』




「ですが、こういうことを任されてるのは使用人の中でも私だけなので光栄に思ってますよ
ですから、これからも私に頼ってください
出来ることではなんでもしますから」



貴『ありがとう。』



「おや、珍しい」



貴『？なにが？』




「いえ、なんでもありませんよ
あぁ、ソースですがこちらとこちらが合うかと」



貴『じゃあこの２つでいこう。』



そうしてまた１つメニューが出来上がる。

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横目でお嬢様を見る


(本当に楽しそうですね

珍しく笑顔になりましたし

ご自身は気づいてないようですが…

最近は前より表情がやわらかくなってきて

あんな嫌がらせをされているのに

私の知らない所で良い友人が出来たのですね)

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