私、今日から「忍たま」になります！〜Part２〜

第７３話 救出任務完了！ の段 ページ50

伊作先輩「A、どこか痛いところはないかい？」

膝を折り曲げ私に視線を合わせて聞く伊作先輩。

『あ、はい大丈夫です！どこも痛くないです！』

伊作先輩「本当？さっき泣いてただろ？ひょっとして雑渡さんに酷いことでも言われたんじゃ」

伊作先輩は心配な表情の他に、少し不安そうな表情も浮かべ聞いてくる。

『いえ！雑渡さんのせいじゃないですよ？雑渡さん、優しかったですし！』

すると伊作先輩の顔から不安げな表情は消えた。

涙の理由は誰のせいでもない。だから、前世のお父さんの事は考えないようにし、先輩方が助けに来てくれた事に対しての感謝と嬉しさと、これ以上、心配させないようにと笑顔で答える事だけを考えるようにした。

伊作先輩「じゃあ、なんで泣いて」

伊作先輩が何か言いかけた瞬間

七松先輩「おー！無事だったか！よかったよかった！ワハハハ！」

と言いながら七松先輩が突然現れ、私を持ち上げぐるりと周り下ろす

『あ！七松先輩！』

立花先輩「怪我はしてないか？」

『それに立花先輩も！はい！平気です！』

中在家先輩「モソ・・・怪我がなくて良かった」

『あ、中在家先輩まで！』

綾部先輩「あれ？もしかして何か酷いことでもされた？」

『え？そんな事ないですよ？元気ですよ！』

久々知先輩「A！あの時は守れてやれなくてごめんな」

久々知先輩は落ち込んだ様子で私に目線を合わせて言う

『いやいや、久々知先輩？私も忍たまと言えど忍者です！捕まったのは自分のせいですよ！久々知先輩が謝ることなんてありませんよ！』

食満先輩「A！雑渡昆奈門になにされた！」

そう言いながら潮江先輩と歩いてくる食満先輩

『んー、お話してただけですよ？』

潮江先輩「じゃ、何か酷いことでも言われたのか？」

『言われてませんよ！むしろ友好的でした！』

私は姿勢を直す。

『先輩方、そして、土井先生と山田先生！助けに来てくださって本当にありがとうございます！』

頭を下げて思いっきり感謝思いを伝える。

実際、知らない人に連れ去られた時は怖かった。どうなるかもわからず恐怖があったのは事実だ

土井先生「私達はAの担任だ。助けに来るのは当たり前だ」

下げた頭を撫でながら言う土井先生。そしてそのままゆっくりと頭を上げた

山田先生「タソガレドキ組頭相手によく無事でいられたものだ。よくやった」

と笑顔で褒めてくれる山田先生。

怖い時もあるけど、本当に、忍術学園に入ってよかった！！

山田先生「さ、忍術学園へ帰るぞー！」

こうして、私の話し合いの為だけの誘拐事件は幕を閉じた。

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