【蓬菊】いつも明るいマネージャーには特大秘密が？【踊】 (ページ47)

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-りおんside-

さっきからずっと緊張で心臓が痛い。
ドキドキが止まらなくて冷や汗もかきはじめる。

リハーサルが終わり、集中しないといけないときなのに。
りおんは、アナタシアのりおんで、このチームに必要な存在って思わせたくて今日まで頑張ったのに。

緊張で全部出せなかったらどうしよう…
ネガティブなことばっかり考えてしまう。

廊下ではテキパキとスタッフさんが準備をしてくれてて。
僕もしっかりしないとって思うのに…

｢りおん？大丈夫？｣

『あ、Aさん…大丈夫…です…』

A｢緊張は解けないよねぇ…私も緊張してるし｣

『Aさんも…？』

A｢もちろんよ。本当にバクバク。でもステージ始まるまでの辛抱よ。始まっちゃったら楽しいだけなんだから〜｣

『そう、ですね…』

A｢そうよぉ？だからりおん、がんばれ。私も頑張るから｣

『はいっ…』

Aさんはいつも気づいてくれる。
他の皆さんも緊張してなさそうに見えるけど本当は緊張してて、それも全部Aさんが打ち消してくれる。

マネージャーってすごいなぁ。

-まさとside-

夢のステージ。
まさとが入ってから5年。
やっとやつと叶う夢。

その嬉しさもあるけどそれ以上に緊張しすぎて死にそう。

もちろんTiaraも先輩方も見に来てくださるわけで。
間違えたらどうしよう、あーしたら、こーしたら…
悪い例ばっかりが浮かぶ。

動いてないと気がすまなくて。

｢まーさとっ｣

『あ、A』

A｢まさと本番30分前だよ。汗かいちゃう｣

『でも、これぐらい…』

A｢あと最後の体力なくなるよーこの30分はしっかり休んで｣

『でも…』

A｢でもじゃないよ。大丈夫さ、まさとなら。失敗なんてしたっていいんだからね｣

『間違えたら…どうしようって…』

A｢わかるよ。でも大丈夫、まさとならやれるって思ってるし。まさとは自分がやれると思わないの？｣

『思ってるけど…』

A｢じゃー大丈夫！まさとはまさとのこと信じて？今日は楽しむんだよ？いいね？｣

『わかった…ありがと』

A｢いいえ！！まさとの笑顔大好きだよ！！笑って！！｣

Aの言葉の魔法が俺にかかって、元気が出る。
俺はやれる、大丈夫。

Aはいっつも気づいてくれる。
頑張らないと。

そのまえに笑おう。