＃S ページ18
ここ最近のしらはんさん、どうも米粒に甘いらしい。
ずるい。
今日だって長時間、配信してるし、私には構ってくれないし。
せっかくの休みだって言うのに。
でもしっかりゲーム配信では泣いた。
その日はずーっと別室で同じ画面を見る。
いやだなぁ。
構ってくれないしらはんさんもいやだけど、
crewに嫉妬してる私もいや。
『ｯ、いや………ｽﾞﾋﾞ』
1本のゲームが終わったあと、その余韻と自分に嫌気がさしてずっと涙が止まらなかった。
それも配信を完走するまでずっと泣いていたようで。
自分の中で、嫌なことをぐるぐる考えてしまう。
私はしらはんさんに必要なのか、必要じゃないのか。
本当はいらない存在……？めんどくさい女……？
なんて考え出したら止まらなくて、負の連鎖。
しらはんさんの仕事部屋のドアが開いた瞬間、反対側にある私の部屋に駆け込んだ。
私の泣き顔は見られてないといいな。
思い返せば散乱したティッシュの残骸たちが残ってるなぁ。
まぁ、ゲームで泣いたんだろうなって思っててほしい。
ｺﾝｺﾝ
S｢A？｣
『……ん？どうしたんですか……ｯ？』
S｢入ってもええ？｣
『…………』
S｢入るよ？｣
ｶﾞﾁｬ
ベッドに座って、ティッシュの箱を隣に置いている私。
しらはんさんが入ってきたけど、顔を上げることは出来ない。
S｢なんで泣いてるん…大丈夫…？｣
優しい声をかけられ、頭を撫でられれば涙がまた溢れ出す。
『……ｯ………ｸﾞｽｯ……ｽﾞﾋﾞ』
S｢いい子いい子、大丈夫だよ｣
いつもしらはんさんと呼んでたことも距離、感じてたのかな…
『し、しょうたさ……ｯ』
S｢……ん？｣
『わた、私はｯ…必要ですかっ……？ｽﾞﾋﾞ』
S｢へ？ど、どうしたの…？当たり前やろ、必要だよ？｣
力を入れた拳に翔太さんの手が覆いかぶさり、抱きしめられる
S｢不安にさせてしまってごめんね……愛してるよ｣
『……ふぇ…？私ｯ…いらない子、じゃないんですかｯ……？』
S｢いらない子じゃないよ、俺にとってすごーく大事な人｣
少しずつ、少しずつ、不安が解けていった。
でも私がcrewに嫉妬してたのは絶対に言わない。
S｢大丈夫…？俺、不器用やけぇ、不安にさせちゃうこともあるけど、俺はAのことが大切やからね？｣
『ぅん……ｸﾞｽﾞｯ』
落ち着いたあと、ずっと隣に座ってくれてた翔太さんの胸に飛び込んでみる。
S｢ｯぉ…！あ、今日は一緒に寝ようか｣
『え、いいの？』
その日は翔太さんの胸の中で眠りについた。
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szkwluna1022(プロフ) - とっっても素敵な短編集ありがとうございます！大好きです！！リクエスト随時受付中とのことでしたが、もしよければいろんなメンバーの嫉妬や独占欲の話が読みたいです(*'ω'ﾉﾉﾞ (2023年4月4日 7時) (
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作者名：コイキング | 作成日時：2023年3月6日 17時
