超能力姉妹《SPY×FAMILY》 (ページ42)

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スクールバスがイーデン校へ到着し、二人がバスから降りる。少し歩くと黒い車が止まり、中からベッキーが降りてきた。

「いってらっしゃいませ、ベッキーお嬢さま」
「「おじょうさま……！」」
「あら、Aちゃん、アーニャちゃん、ごきげんよう」

その姿に瞳を輝かせるAとアーニャ。そんな視線に気づいたのかベッキーが挨拶をする。

「おじょうさま、おしろにすんでる？」
「そんなワケないでしょ」

アーニャの質問にすぐ返すベッキー、スクールバスで登校している二人に"送り迎えしてあげてもいいわよ？"と言ってくれた。

「Aたちもおじょうさまになれる？」
「養子にするとはいってない」

三人で話しながら学校の中を進むと、ベッキーが何かに気付き"ゲェ〜〜〜っ"と声を漏らした。その声の先にはダミアン御一行。ダミアンは頬に湿布を貼り、Aたちを見ると"あっ"と驚いた表情をみせた。

「ゲーとはなんだ失礼なやつめ!!」
「いやーん朝からうるさーい」

ベッキーと取り巻きが言い争う中、Aとアーニャは父の言葉を思い出していた。

"ちゃんと謝るんだぞ？"

「えーと、えーと」
「アーニャたち、きのう……」
「行こ、Aちゃん、アーニャちゃん、授業始まっちゃうよ！」
「「あうっ!?」」

Aとアーニャが謝ろうと口を開く、しかしベッキーが二人の手を掴み、ズルズルと引きずっていく。

「オイ待てよ!!」
「あんなやつらとしゃべったってバカがうつるだけよ」
「「(せかいへいわが〜〜〜！！)」」

二人の思いも虚しく、ダミアンたちから離れていく。そんな様子を学校の屋根から監視する一人の男……。

「(邪魔をするなブラックベル家の娘……!!)」

ロイドは娘たちの仲直り作戦が心配になり、結局付いてきていた。そしてブラックベルとデズモンドはビジネスパートナーであったことを思い出し、わざと作戦の妨害をしているのではないかと疑うロイドだったが、すぐにそんな疑惑を振り払う。

「(何としても今日中に和解させねば……!!)」

──────･･･

教室に入るフォージャー姉妹たちに向けられた視線は良いものではなかった。

「…何ていうか」
「うん…」

Aたちの周りの席には一定の距離が空き、ほかのクラスメイトはざわざわと小声で話し出す。

「あの子たちでしょ、暴力ふるったって」
「いきなり理由もなく殴りかかってきたんだろ？」

"あんなのと同じクラスとかカンベンしろ"
"学校やめろ"
"だっさい髪型"