13.仲直り作戦!(1) ページ41
あの暴行事件から一夜明け、フォージャー家は朝を迎えた。いつものようにロイドが朝食を作っていると、ヨルが寝ぼけながら起きてきた。
「おはようございまふ……」
「おはようヨルさん」
4人での生活も馴染んできたと感じるロイド。同時にまだ寝ているであろう娘たちを思い出す。
「Aとアーニャはまだ寝てんのか」
目線をリビングから、ずらすと二人が下を向いたまま立っていた。
「「…………」」
「…(昨日のこと気にしてんのか…?)」
そんな二人の様子に、ロイドは優しく声をかける。
「怒らないから出てこい、早く食べないと遅刻するぞ」
その言葉にAがアーニャの手を引っ張りイスへ座る。
「Aたち、がっこうへたくそでごめんなさい……」
「いえ責任は私に……」
Aとアーニャの反省の言葉に、ヨルも落ち込む。なんとも暗い朝食だろう……。ロイドのこめかみに冷や汗が垂れる。
「過ぎたことはしかたない、これからはケンカしないように気をつければいい」
「「!」」
「よしほら元気出せ!今日から授業だぞ!」
ロイドの励ましに元気付けられる二人に、ヨルも"お優しいです"と笑顔をみせた。
「(ミスを引きずるよりも今後の対策に思考を費やす方が建設的だからな、それに万が一にも学校が嫌になって行きたくないとか言い出されたら困る)」
──────・・・
「スクールバス来たぞ!忘れ物ないか?」
「あ!アーニャぼうし!」
「ぼうしー!」
朝食を終え、スクールバスに乗る二人を見送るロイドとヨル。バスの窓から顔を覗かせる二人にロイドが声をかける。
「ああそれから、学校でちゃんとダミアンくんに謝るんだぞ、わかったか?」
「「うい」」
「いい子でがんばれよー!(頼んだぞA、アーニャ……おまえたちの仲直りに世界の平和がかかっている……!!)」
"いてきます"と声を揃える二人に、ロイドは不安を覚えながらも見送った───。
『アーニャ、ちちのこころのこえきこえた?』
『うん!アーニャたちにせかいのへいわがかかってる!!』
『せかいの、へいわ……Aがんばる!』
『アーニャも!!』
学校に着くまでの間、先程のロイドの心の声を聞いた二人はダミアンとの仲直り作戦を考えていた。直接手を出してしまったのはアーニャだが、勿論Aも共犯、一緒に謝る作戦に決定したのだった。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時