超能力姉妹《SPY×FAMILY》 (ページ5)

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「──で、このガキどもは何だ……？」

Aとアーニャはロープで拘束され、震えていた。
そう、ここは【黄昏】を狙った東国のマフィア組織の基地である。

「まさか黄昏の……？」
「分かりません、発信源の部屋にいたので念のため……」

((つうしんのせい……！？))

2人が原因と知り、後悔するが、Aは組織のボスと子分の会話を聞く。

「まあいい人質として使えそうなら、こいつを盾にとって外務大臣のヅラを黄昏本人に直に奪ってこさせてやる」
「…ボス、ヅラはもう諦めた方が…」
「ん？」

パシュッ───

突然持っていた銃で部下を撃つマフィアのボス、目の前で倒れる人にAとアーニャはますます青ざめる。

(おとのでないぴすとる……！！)
(ほんものの……)
((わるいひと……！！！))

その時、外から車のとまる音がした。

「ボス！！家を張っていたグエンたちが戻ってきた！！」

組織の仲間と思われる男が、肩に担いでいた男を床に転がす。

「男を捕らえました」
「よくやったおまえら」

じたばたと暴れるスーツの男。顔は隠され、分からないが、Aとアーニャは、戻ってきたグエンという男を見つめている。

「素人の動きじゃなかった……！本物ですよ……！」
「向こうで休んでろ」

グエンは自然な動きでAとアーニャに近づいてくる。

「さて、それじゃ黄昏くん、横取りした写真を返してもらおうかな？」

ボスが、転がっている男の紙袋を取り、その顔があきらかになる……そこには、さきほど帰ってきたグエンが転がっていた。

「むぐぅ────っ！！！」
「「グエン！！？」」
「どういうことだ！？今……」
「誰もいないぞ！！」
「まさかまた…」

Aとアーニャを両脇に抱えながら走る男、顔はグエンという男のままだが、心の声が聞こえるアーニャはもちろん、アーニャを通じてAにも、彼の正体はわかっていた。

「(…失態だ、こんなリスクを冒してまでノコノコと敵地に…スパイ失格だ……！)」
((ちち……))

「ちびゃ〜〜〜〜〜〜っ！！！」

突然アーニャが号泣する。Aもつられて泣きそうになるが、なんとか我慢している状態のようだ……。

「大丈夫おじさん何もしない！！こわくないよ〜〜〜」
「あぅ〜〜〜ちぶぁ〜〜〜」
「ぅ……ひっく…」
「(Aにも泣かれたらヤバいっ！)」

2人の泣き顔を見ながら、自らの過去を思い出すロイド。なんとか2人を外まで脱出させ、Aとアーニャの顔を見ながら、手紙を渡す。