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イーデン校内見学が再開され、Aたちは列の後ろの方を歩いていた。
"ポコッ"
"ポコッ"
Aとアーニャの頭に丸めた紙くずがあたる。後ろを歩いているのはダミアンとその取り巻き二人。すぐにベッキーが食いかかる。
「「フッ」」
「いいかげんにしなさいと先生に言いつけるよ!」
「オレらがやった証拠あんのかよ!?」
Aとアーニャは相変わらず、母直伝の笑顔でやり過ごす。しかし、ダミアンたちはベッキーを押しのけAたちに指をさし言った。
「オイにやけブスども!てめーらは今後いじめにいじめぬいてやるからな!二度とヘラヘラできねーようにベッコベコにしてやる!」
「泣かしても心の医者のパパが治しちゃうんじゃ?」
「マジかそりゃスゲー!」
"よかったでちゅね〜〜"と冷やかすダミアンたち、Aとアーニャの瞳の奥に火がついた。Aが先を歩き校内の案内する先生を確認する。
『だいじょうぶ、せんせいみてない』
『うい』
目を逸らし、よそ見をしたAにダミアンがさらに悪態をつく。
「オイどこ見てんだビビったのか!?」
その瞬間、アーニャの表情から笑顔が消え、ダミアンの頬目掛けて右ストレートをはなった。
"ボゴッ"と鈍い音をたて、ダミアンの体は後ろの家具へ吹き飛び、そのまま大きな音を立て突っ込んだ。
「う…うわあああん」
「何の騒ぎだ!?」
さすがの騒ぎにヘンダーソンも早足で戻ってくる。当然ダミアンの取り巻きがアーニャを指さし"こいつがダミアンさまをなぐった"とチクリだした。
「…てをのびしたとこにぐうぜんこのひとが……」
「うそつけー!!なんでごまかせると想ってんだおまえー!?」
「ていうかおまえもさっき先生が見てないか確認してたろー!?」
そう言ってAにも怒鳴りだす取り巻き達。二人はシラを切るように"アーニャたちがやったしょーこあんのか"と言い放つ。
「おもくそおまえのグーパンのあとついてるだろがー!!」
「……もしも偽装なら恥ずべき行為だぞ、アーニャ・フォージャー、A・フォージャー?」
ヘンダーソン先生に問い詰められ、二人は固まる。そんな中、ベッキーが二人を庇った。
「ちがうんです先生!この子たちはずっとガマンしてたんですけどこいつらが…!!」
「殴ったのは本当なんだな?」
「「……」」
そんな時、二人の脳内に、母ヨルの言葉が遮った。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時