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《ベッキー・ブラックベル》
そう呼ばれ、Aたちの後ろに一人の女の子が並んだ。その名前にロイドは反応を示す。
「よろしくね!」
「(むっあれは…大手軍事企業ブラックベルCEOの娘…!)」
ほかにも、人民議会副議長の娘や保安省要人の息子を見つける。
「(クラスメイトは
そんな様子をヨルは、"子どものこととなると必死ですね"と思い微笑んだ。
──────
「あたしベッキー、あなたたちは?(ガキっぽい子、世話役くらいにはしてあげてもいいかしらね)」
ベッキーの心の声を聞き、アーニャは無視をした。そんなアーニャにAもなんとなく失礼なことを言われたのだろうと思ったが、これから同じクラスになる子、仕方なく挨拶をする。
「Aです、アーニャのあねです」
「ふたごなのね!」
"そっくりね!"とニコニコするベッキー。そんな中、担任の先生が発表され、Aたちの担任は面接でもお世話になったヘンリー・ヘンダーソンだった。
「(初心に返ってビシバシしごいてやろう)」
「「(なぜA/アーニャをみる……)」」
ヘンダーソン先生の視線にビクッと反応しながら、大人しく整列している。
《───それでは、新入生は担任に付いて校内を見学したのち各教室へ、その間保護者の方々はC棟ラウンジにてしばしご歓談しながらお待ちください》
周りの拍手とともに退場していく新入生、そんなAとアーニャに心の中で応援するロイド。
「(…がんばれA、アーニャここから先はお前たちで何とかせねばならん…!!)」
「「!」」
そんなロイドの視線と感情を読み取ったのか、二人はロイドの方を向き、ぴっと敬礼する。
「「(
「こらそこ歩調を乱すな!」
さっそく先生に怒られる二人をみて、ロイドはため息を吐き不安がこぼれた。
「心配だ…」
「見送る時って不安ですよね」
"わかります"と、隣に座っているヨルが励ます。この時はまだ、二人があんな事をするとは誰にも想像出来なかった───。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時