11.イーデン校入学(1) ページ35
《228名の栄えある新入生諸君───
入学おめでとう!イーデン校一同、心より歓迎する!》
Aたちはイーデン校の入学式に出ていた。アーニャは周りの新入生を見渡し、落ち着かない様子だ。
「ちち!アーニャたちとおなじふくのひといっぱい!」
「そう…それが制服」
ロイドは、先日の管理官との会話を思い出していた……"
「(この子たちを
「!!」
「?」
ロイドの心を読みショックをうけるアーニャ、そんなアーニャの心の乱れに反応するA。
《では続いてクラス分けと担任を発表いたします、呼ばれた者は前へ》
次々と呼ばれる生徒の名前、Aとアーニャは"おなじだといいね"と言いそわそわしている。しかし、このクラス分けはロイドの手によって、
「(Aとアーニャがあいつと同じクラスになるように…)」
"ダミアン・デズモンド"
ロイドの標的であるドノバン・デズモンドの次男である。Aとアーニャが特待生を目指すのが【プランA】とするなら、こちらは【プランB】その名も───
「(ナカヨシ作戦!!)」
ナカヨシ作戦とは、ダミアンと仲良くなり、親同伴で家へと遊びに誘われダイレクトに標的へと接触する。そんなロイドの考えはアーニャには勿論、アーニャを通じてAにも筒抜けだった。
『ナカヨシ…』
『さくせん…』
ぽかーんとしていると、アーニャとAの名前が呼ばれる。
《アーニャ・フォージャー、A・フォージャー》
「「!」」
「行ってこい」
カクカクと緊張のため変な歩き方をしている二人。呼ばれたクラスの列まで歩くと、ダミアンと目が合う。
『あくのボスの』
『こども…』
Aとアーニャがしばらくダミアンと見つめあっている。
「(…なんだあの女たち?ははーん、さては早くもオレの魅力に気づいてホレたか、なかなか見る目あるじゃないか)」
「……イラッ」
的はずれな勘違いをしたダミアンにイラつくアーニャは、すぐに目を逸らし列の後ろへ並んだ。Aもその後を追うように列へと向かう。
『あのこが、ちちのみっしょんのこ、だよね?』
『あいつ、すごくわがまま』
アーニャからダミアンがなにを思っていたかを聞き、Aもうぇっと嫌な顔をする。どちら第一印象は良くないようだ。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時