超能力姉妹《SPY×FAMILY》 (ページ30)

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10.誘拐未遂事件(1) ページ30

イーデン校制服、指定販売店──
フォージャー家はAとアーニャの制服の仕立てをするためにやってきた。

「99てん……5！」
「アーニャ２みりでっかくなった！」
「A、アーニャより２みりでかい！」

お互いの身長で盛り上がる二人を見て、ロイドは"誤差だろ"と突っ込む。

「わかりませんよ、子どもはすぐに大きくなりますから」

店主の言葉に、ヨルは頷く。自身の弟を思っているのだろう。

「じゃあ、成長を見越して多少大きめに作ってもらうか」
「いや〜しかしヨルちゃんがいつの間にか結婚してたなんて！こないだ一緒にお見えになった時、教えてくれればよかったのに〜」
「先日はその…すみません…」

店主はヨルの結婚を聞き、さらにAとアーニャをみて"名門イーデンにご入学だなんて！"と言い、驚いているようだ。

「お父さまもイーデンのご出身ですの？」
「いえボクは田舎の三流出でして…」
「あら、じゃあ気をつけて」

店主が言うには、イーデン校では、OBの親とそうでない親との差に壁があり、それが、子どもたちの間でいじめや差別になっているそうだ。しかも、通学生にな誘拐も頻発しているらしい…。

そんな、話を聞いたAたちは、ぶるぶると震え、ゆっくりロイドの方へ顔を向けた。

「「A／アーニャがっこういくのやめる」」
「！」

二人の言葉にショックをうけるロイド。そんな様子に店主はすぐさまフォローをいれる。

「あらごめんなさい、脅すつもりはなかったの、楽しいこともたくさんあるから大丈夫よ！」

採寸もおわり、お得意様なので超速で仕上げるという店主、ロイドは入学準備は"金かかるな…"と思いながら店をあとにした。

外に出ると、Aはヨルの後ろ、アーニャはロイドの後ろに身を隠しキョロキョロと周りを見回していた。

「？どした」
「「ゆうかいをおそれてる」」
「そうか気が早いな…ヨルさん、今日は外食でもいいですか？」
「はい、もちろん！」
「れすとらん、ゆうかいはんいない…？」

Aの質問に、ロイドは安心させるため頭を撫でた。