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「Aとアーニャ、ほしいものじゃなくて…」
「したいことある!」
「ん?何だ?まあ可能なことなら応じるぞ」
二人は椅子から飛び出し、テレビをつけた。
《助けてボンドマーン!!》
《待ってろハニー姫!!》
《城へと潜入する王国一のスパイ"ボンドマン"襲いくる敵を打ち倒し、ついには姫のもとへと辿り着く!》
《助けに来たよハニー姫…》
《ボンドマン…♡》
先日のボンドマンをロイドにみせ、指を差し"これやりたい"と言うAたち。そんな二人にロイドは冷や汗をながす。
「え…つまり…?」
「「おしろでたすけられごっこ!」」
「無理」
「がーん」
「じわ…」
即答するロイドに、ショックをうけるAと、涙目になるアーニャ。そんな二人の後ろからフランキーが代弁する。
「ヒドイ!!オニ!!叶えてくれなきゃ学校行かないから!!」
「勝手に代弁するな」
フランキーは、Aとアーニャの頭を撫で、慰める。
「せっかく合格したのにな〜ご祝儀のひとつでもなきゃやってらんねぇよな〜〜」
「……っ」
すんすん、と泣くAとアーニャにロイドはついに折れた。
「わかったから!ちょっと待ってろ!」
「「!」」
ぱっと、花が咲いたような笑顔になる二人、ロイドがどこかに連絡し、あれよこれよという間にAたちは古城へやってきた。
「「おしろ!」」
キャッキャッとはしゃぐAたち、誰もいない貸切状態の古城で走り回っていた。ヨルは酔っており"よかったですねぇ"と言っている。
「……」
「……」
「どした?」
さっきまではしゃいでいた二人だが、急に大人しくなってしまったため、ロイドが声をかける。
「ひといない」
「なんかちがう」
そう、二人がやりたいのはあくまで"たすけられごっこ"いま、この古城は貸切のため、Aたち以外誰もいない。Aたちが求めているものは、敵や家来だった。
「Aとアーニャがっこういけなくなりそう…」
「だよなぁ」
「………ッ!!」
二人に便乗するフランキーに苛つきながら、ロイドは再びどこかへ連絡をする。すると、すぐさま古城には人が溢れた。
「「わあ!」」
Aとアーニャの瞳がきらきらと輝く。さまざまな仮装をした人たちは、
「(黄昏さんだ……)」
「(本物だ……)」
「(あとでサインもらおう……)」
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時