08.四者面接(1) ページ20
イーデン校、入学試験
四者面接が始まった。
「……っおまえ何だあの答えは!?」
「うぇ〜〜〜ん」
「くそっ絶対不合格だ…」
スパイ歴十数年、ロイドは今、緊張していた。過去の任務でもこんなに息が詰まることはなかっただろう。手に汗握り、呼ばれる順番を待つ。
「(他人へ成否を委ねることの恐怖…!!)」
「……ぶるぶる」
「……そわそわ」
Aとアーニャにもロイドの緊張は伝わっていた。
「次の方フォージャーさま」
「はい!」
「「うい!」」
立ち上がり、案内された部屋へ入る。そこにはヘンリー・ヘンダーソンを含めた3人の面接官がいた。間違いなくここが、黄昏の任務オペレーション〈
「おかけください」
「来たかフォージャー!」
「失礼します(この情報戦フォージャー家が制してみせる…!)」
3人の面接官の前にフォージャー夫妻が座り、Aとアーニャは机の角を挟んだ席に座った。
「ではまずご両親への質問から始めさせていただきます」
眼鏡をかけた面接官、ウォルター・エバンスが尋ねた。ロイドはすべての職員を担当教科や性格まで暗記している。
「お二人は再婚だそうですが、どういったご関係だったので?」
いきなり踏み込んだ質問だったが、ロイドはイーデン校ならではの家柄重視と、想定内の質問だったようで、問題なく回答する。
「…彼女は家族思いのとても優しい女性です、娘たちとも上手くやっていけると考えました」
「ふむ、奥さまの方は?」
「え…えっと、ロ、ロイドさんは子ども思いの素敵な方です、私の(独身で困ってた)ことも気遣って頂いてますし…」
ヨルも練習通り、順調に答えていく。そんな二人の回答にただ一人面白くない顔をしている男がいた。
「奥さんキレイなのに何でわざわざコブつきなんか選んだんだい?」
「はしたないですぞスワン先生」
マードック・スワン、先代校長の一人息子で高慢・強欲・無神経の三拍子。ロイドはあらかじめ仕掛けておいた盗聴器で今までの面接内容を把握していた。
「(こいつは刺激しない方が得策だな…)」
「では次の質問を、本校を志望した理由をお聞かせ願えますか?」
「それは偏に(標的デズモンドに近づくため!!)貴校におられる先生方のレベルの高さに尽きます」
ロイドの回答を聞き、ヘンダーソンは心の中でエレガントだと絶賛する。
「(さすがはワシが見込んだ男)」
つぎはAとアーニャに関する質問に変わる。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時