超能力姉妹《SPY×FAMILY》 (ページ18)

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「やはり、こちらのグレーの方が学校にも似合ってますね」
「さっきのスーツじゃ田舎者だと恥をかくところだった、着替える機会をくれて礼を言うよ少年！」
「え…はぁ…」

スマート!!スマート＆エレガントッ!!
ヘンダーソンは興奮していた。そして、本来の目的までも忘れかけていた。

「おのれこしゃくなロイド･フォージャー!!」
「寮長(ﾏｽﾀｰ)…お子さんの試験ですよ…？」
「うるさい!!子は親を見て育つ！そうだ30点の子の親は30点のはずなのだ!!」

化けの皮をはいでくれる…!!と息巻くヘンダーソン。その時、非常事態を知らせる鐘が鳴る。

「大変だぁ───っ!!!」
「飼育舎から動物たちが逃げだした───っ!!!」

周りの受験生はパニックになり、騒ぎ出す。フォージャー家4人も走りだす。

「フォーメーションDを崩すなよ！動物たちにも博愛心で臨むんだ!!」

────

「誰だあそこまでやれと言ったのは!?」
「えっ寮長(ﾏｽﾀｰ)では…」
「なにっ!?」

ヘンダーソンは青ざめる。そう、これは本物のハプニングだった。すぐにほかの試験管へ止めさせるよう指示をする。

「あうっ待ってお父さーん!!」
「っ！」

転んでしまった男の子にAが気づく、咄嗟に力を使い突進してきている牛の動きを止めるも、久しぶりに使う能力に視界が揺れる。転んだ少年をロイドがすぐに助け、牛から距離をとる。

「大丈夫か？」
「よくやったおまえ！」

少年の父親に引き渡すと、ヨルがアーニャとAの異変に気づいた。

「ロイドさん！アーニャさんがまた…」
「群衆のパニックにあてられたか…」
「はぁ…はぁ…」
「Aさんまで、鼻血が出てます！」
「なに、大丈夫か？」

ロイドは暴れ回る動物たちに視線を向け、群れの中のボスを見つけだす。銃を使おうか迷っているとヨルが立ち上がり言った。

「Aさんとアーニャさんを頼みます！」
「ヨルさん!?」

牛のボスに立ち向かうヨル、素早い動きで牛の急所を押し、動きを完全にとめた。

倒れる牛(ボス)に他の動物たちとロイドも動きをとめた。

「いや違うんです昔ヨガ教室で動きを止める秘孔を学んだことがありまして！」

牛さんにも効くかなと思って…と言うヨル。アーニャは牛の心を感じ取る。

「！」
「アーニャ、うしさん…」
「…うん」

Aとアーニャが倒れている牛に近付いていく。ロイドは注意するが二人は止まらなかった。

「だいじょうぶます」
「こわくない」