超能力姉妹《SPY×FAMILY》 (ページ14)

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4人は街を見おろせる公園へやってきた。

「町外れにこんな公園があったとは」
「私もたまにしかきませんが"仕事"で疲れた時とかにふらっと…」

ちょうどよく風が吹き、心地が良い。Aは気持ちよさそうに目をつぶった。ヨルが申し訳なさそうに"退屈ですよね"と謝る。

「A、ここすき」
「アーニャもひといっぱいよりすき」

そんな時、下に見える歩道で、老婆が後ろから歩く男に突き飛ばされた。

「ひったくりよ！！誰か───！！」

ロイドが"不用心な婆さんだ"と呟くのと同時にヨルが手すりを飛び出す。しかし、男を見失い老婆の元へ行く。

『はは、すごい』

Aとアーニャがポカンとしていると、ロイドは2人を抱き上げて逃げた男を探す。

「(チッ…人混みに紛れたか…)」

こうなっては見つからないだろうと、諦めたロイドの腕の中で、アーニャが能力を使う。たくさんの声を聞き、アーニャが再びぐったりする。

「オイおまえまた…」
「ちち、アーニャだいじょぶ」

心配するロイドをAが制する。そして、アーニャが目を見開き、店を指差す。

「ちち！けーきたべたい！」
「なぬっ！さっきレストラン出たばかり……！！」

アーニャの指差す方をみて、動きを止めるロイド。その瞳には、服装を変えたさっきの男が歩いていた。

「(歩き方のクセというのはそうそう変えられんものだ、オレを欺けると思うなよ)」

Aとアーニャを地面に降ろし、戻ってきたヨルに2人を預けると、今度はロイドが手すりを越え、橋から飛び降りた。

「とりあえず旨いモンでも食いに──」
「貴様には臭い飯が妥当だ」

ドズンッと鈍い音を立てて男は地面にめり込む。突然の出来事にロイドの周りには野次馬が出来ていた。ひったくり犯ということを伝え、通報を頼むと盗まれたカバンを持ち3人のいる所へ戻ってきた───

──────･･･

「孫へあげるプレゼントのお金が入ってたのよぉ」

助かったわ、とヨルの手を握り、ブンブンと振る先程の老婆。

「あ…いえ取り返してくれたのは、うちのオット…シュジン？ですので」
「…いや、ボクはヨルさんがいなかったら追いかけもしなかった…」

少しバツの悪そうな表情をする、ロイド。そんなロイドにも手を握りブンブンと振りながらお礼を述べる老婆。

「ありがとうねぇいい男だねぇ」
「いやだから…(……たまには、まあ感謝されるのも悪くないか…)」

『ちちつんでれ』
『ちちかわいい』

アーニャとAは思った。