06.模擬面接(1) ページ12
「では、質問です」
髪型を変えメガネをかけたロイドが面接の練習をはじめた。向かいのソファにはA、アーニャ、ヨルの3人が座っている。
「アーニャさん、休日はいつもどんなことを?」
「ちちにるずばんをめいじられるので、Aとふたりでさみしくてれびをみてます」
「待て待て印象悪い」
アーニャの返答に眉をひそめるロイド。気を取り直し隣のAへ質問をした。
「Aさん、休日はいつもどんなことを?」
「アーニャのおせわしてます」
「うーん、間違いではないがな…」
「アーニャもAのおせわしてる!」
「してない、アーニャのわがままA、きいてる」
いまにも喧嘩しそうな2人を宥めて、ヨルへの質問をするロイド。
「お母さまの教育方針は?」
「え?え?えっと……先手必勝…?」
「(よく弟がまっとうに育ったな、この人…)」
3人の回答を聞いてあきれるロイドは、ため息をつき立ち上がる。
「…ダメだこんなんで面接が通るわけない、入学は諦めよう」
「「ガーン」」
「ロイドさん!亡き母君のご遺志を思い出してください…!」
模擬面接にはまだ早かったか…と思い、ロイドは口を開いた。
「よし!出かけよう!」
──────・・・
こないだ新調した服に袖を通し、Aとアーニャは手を繋いではしゃいでいた。
「「おでけけおでけけ♪」」
「おでかけな」
ふ、とAとアーニャが、ヨルへ振り向く。
「はは、て、つなぐ?」
2人で、ヨルに手を差し伸ばす。ヨルはそんな2人の仕草をみて、すこし戸惑いながらも、よろしくお願いします!と小さな手を握った。
「(ああ…小さくて可愛かった頃の弟を思い出します、思いきりハグしてあげたら肋骨2本折ってしまったこともありましたっけ)」
「ビクッ」
『はは、ほねおる!!』
『えっほねおる!?』
ヨルの心の声をきいたアーニャと、アーニャとのテレパシーにより伝わったAも、びっくりして手を離してしまう。
さささっと離れていく少女2人に落ち込むヨル、ロイドはそんな3人を後ろから眺めいた───・・・
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月12日 1時