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『ユーリ!A!いきますよ!それ!!!』
姉の投げたボールは、ボールの形を留めておらず変形して兄妹に襲いかかった。
『きゃああああ!!』
『ぎゃああああ!!』
運良く避けたAだったが、兄であるユーリに直撃し、後ろの大木に叩きつけられた。
『ゔぅ…』
『にいさん!大丈夫?』
『ユーリ、ちゃんとボールをみてないとダメですよ!』
シュゥウとありえない音をだして止まるボールは、三本の大木をなぎ倒していた。
兄をみると頭から血を流し、立ち上がっている。それを見たAは、二度と姉を怒らせてはいけないと心に誓った───・・・
「ふふ」
「どうしたのですか?A?」
「いえ、懐かしいことを思い出しまして」
「(アーニャも、ははおこらせないようにする…)」
Aの心の声をきき、アーニャもヨルを怒らせないようにしようと心に誓ったのだった。
「それで、いま特訓してるんですよ」
ね?アーニャさん!と笑う姉。アーニャは今日も行うであろう特訓を思い出し、身震いした。
「まあ、アーニャさん、よく姉さんの特訓についていけますね!」
Aは驚いた表情で、アーニャをみる。姉のことだ、きっと無茶苦茶な特訓に違いないとAは思っていた。アーニャも首を縦にブンブン振り、頷いている。
「たしか、イーデン校でしたっけ?あそこは名門ですからね…アーニャさん、頑張ってくださいね!」
「…うい」
これから特訓が始まるということなので、Aはアーニャの無事を祈りながら、家路に着くのであった────。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月1日 12時