リコリスが咲く《SPY×FAMILY》 (ページ5)

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02.リコリスの日常(1) ページ5

【注】暴力的な表現があります

Aside

こないだの結婚祝いはさんざんでした。予想通り、兄さんは暴走し、姉さんと義兄(おにい)さんのロイドさんには迷惑をかけてしまいました…。

あのあと、兄さんや私の仕事の話になり、なんとか暴走を止めようとしましたが…あんなことになるとは…。

『キスしてみせてよ』

その一言で、姉さんと義兄(おにい)さんのキスシーンを見せられそうになりましたが、兄さんがソレを妨害しようとし、それに拒絶するように兄さんを殴り飛ばした姉さん…。

もう、あれは完璧に兄さんが悪いです！
姉さんのこととなると、見境いがなくなるのは、わかりますけど…。

「はぁ…」
「Aちゃん、大丈夫かい？」
「あ、はい！すみません！」

そうでした！仕事中でした！
店長さんに声をかけられるまで考え事をしてたなんて、怒られてしまいます！ちゃんとしなければ！

「そうそう"黒いリコリスを4本"注文が入ったよ」
「！…わかりました」

Aside終了
─────･･･

花屋の注文表には、受け取り人の欄に名前が書かれている。それが標的(ﾀｰｹﾞｯﾄ)だ。

「今日はどんな売国クソ野郎でしょうか…まあ、私には関係ありませんね」

お命を刈り取るだけですから、そう呟き、黒いリコリスとともに暗闇へ消える。

「へへっ…これで東西両国は終わりだな」

高層ビルの最上階の一室、そこでパソコンの画面を見ながら笑う男の名は－リカード･ヴォルフ－東西両国の争いを望むこの男こそが、今回の標的(ﾀｰｹﾞｯﾄ)。

「このAIソフトを使えば、東西のやつらは再びいがみ合い、オレたちの国が日の目を浴びることが出来る！」

リカード･ヴォルフは北国の諜報員、東西が争い潰し合うよう任務を与えられた。

「さて、さっそくこのソフトを使い、機密情報を奪ってやる」
「あら、スゴいですねそんなことも出来るんですか」
「まあな、このAIソフトはどんなパスワードも簡単に……き、貴様だれだ！」
「ふふ、はじめまして、そしてさようなら」

可憐な笑顔で後ろから話しかけたのは、A･ブライア、振り向く隙を与えず、後ろからワイヤーを伸ばし首に巻き付ける。そのままワイヤーを指で弾くとリカード･ヴォルフの意識は途切れた。

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