検索窓
今日:4 hit、昨日:6 hit、合計:7,757 hit

(2) ページ3

「遅くなってしまいましたね…」
「姉さんなら、許してくれるさ」

そうですね、とAは微笑み返事をする。
フォージャー家の扉の前に着いた2人は、深呼吸をしてブザーを鳴らした。

ガチャ、と扉が開きユーリとAは貼り付けたような笑顔を作った。

「やあはじめまして!弟のユーリです!」
「妹のAです」

そして、ロイドとヨルも同じように貼り付けた笑顔で"いらっしゃい!"と迎える。

ロイドとユーリが握手を交わす。2人とも笑顔のままだが、心の中では欺き合い、探り合う戦いが始まろうとしていた。

「あ、コートと荷物お預かりしますよ!」
「いえ大丈夫ですありがとうございます」
「兄さん!」

敵対心剥き出しの兄の言葉にAは冷や汗をかく。

「……簡単な料理でよければすぐ用意しますのでくつろいでください」
「ありがとうございま「お気遣いなく」

Aが返事をかえすのを遮るようにユーリが言った。そんなユーリをみて、ヨルは"緊張しちゃって"と呑気に言っている。

ヨルに話しかけられてにこにこするユーリ、そんな姿をみてAはホッとした───。

2人は持ってきた花を渡し、ヨルは花瓶に花を飾る。

「お花ありがとうユーリ、A」
「うん…でも姉さん、ボクたちはまだこの結婚を認めたわけじゃない」
「ちょっと兄さん、そんないきなり…」

唐突に話を切り出すユーリに、Aが焦って制するもユーリは続ける。

「だいたい弟のボクや、妹のAに1年も黙ってたってどういうことなの?」

"ちゃんと答えてくれないと納得できないよ!"と言うユーリに、Aはため息をついた。
(こうなっては、姉さんの言葉しか聞こえないですしね…)

「そ…それは、わ…忘れてたからです!」

パリンッとキッチンの方でなにかが割れる音がした。ユーリもAもキョトンとしていたが、ヨルは自信に満ち溢れた表情だ。

「え…うん…えっと…」
「忘れてたんです!」
「姉さんったら、おっちょこちょいなんですから」

ふふっと笑うAに、ごめんなさいと笑って返すヨル。

「ほら、兄さんも姉さんがそう言ってるんですから」
「…そうだね、姉さんが忘れてたなら仕方ないか!」

すると、そこにロイドが料理を持ってきた。

「おまたせしました」
「わあ!おいしそうです!」
「ロイドさんの料理はすっごく美味しいんですよ!」

ユーリが舌打ちをしたが、Aは聞こえないふりをした──。

(3)→←01.姉さんの結婚祝い(1)



目次へ作品を作る
他の作品を探す

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
45人がお気に入り
設定タグ:SPY×FAMILY , 微原作沿い , オリジナル   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/  
作成日時:2022年6月1日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。