一年前の記憶3 ページ9
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「ふふっ……せっかく命拾いしたんだから生かしてあげる。
最後の時間を楽しんで?」
さ、いご……
その言葉で一気に現実に戻された。
まだ、私を庇うようにしている母親をみる。
お母さんと、お父さんとはもう会えなくなる?
私のせいで……?
なんで……?
なんでなの?
私には、何も……残らない?
そんなの……
「A……」
ふと、名前を呼ばれた……
いつもの優しい声だ。
「ごめん、ね、怖かった、ね……
……お母さん、あの女、から、銃はとったの……
でも、撃てなかっ……た……
その、せいで……ごめん、ね……?」
「っ……違う!お母さんは悪くない!
でもっ……居なくならないで……!」
ひとりにしないで……
「A……Aは悪くな、いのよ……
でもね、お母さん、わかるの……
もう……私は、ここには、いれないって……」
「っぁ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
お願い……そんなこと言わないで……
そう思ってるのに……謝ることしか出来ない。
「……A、泣かない、で?
笑って……ね?」
嫌だ、行かないでっ……
「大丈夫……もう、失う、ものなんて、ない、か、ら……」
あの時の、母親の夕日に照らされた笑顔は忘れられない……
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作者名:クグロフ | 作成日時:2018年6月12日 14時