不吉…… ページ27
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「ん、そろそろもう寝ないとAの肌にさわるなぁ」
「ゴールデンタイムは寝るべし、寝るべし」
とか何とか言いながら帰り支度を進めていくおじさん。
「ねぇ、おじさん。
最後に一つだけ聞いてもいい?」
正直、帰って欲しくなかった。
だから1つなんて嘘だ。
もし、帰ってしまったら……もう、会えなくなるかもしれないから。
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……なんて、不吉すぎるか。
考えたら負けだ、負け。
「ん?どうした?」
でも、これも本当に聞きたかったことだし。
「お父さんって……どんな人だった?」
家にあまり帰ってこなかったお父さん。
仕事のことはもちろんだけど、そんなに面と向かって話したこともなかったし。
最後まで……ちゃんと話せなかった。
本当はどう思っていたのだろう。
私のこと。お母さんのこと。
「……義兄さん、か」
それから、おじさんはゆっくりと話してくれた。
「義兄さんとは、実は部署が同じでな。
まぁ、いわゆる先輩だったんだ。
で、いつも仕事熱心で……
……でも、それはいつも姉さんとAのためだって。
どんな立場にいようとも、俺の守るべきものは家族だって言ってたな……」
「……そっか」
よかった。
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作者名:クグロフ | 作成日時:2018年6月12日 14時