# 9 ページ9
.
.
ブルペンはいつ来ても最高
ボールがミットに収まる音
ロジンの粉の匂い
最高の場所や
『そこのお嬢さん、おっちゃんと遊ばへん?』
「ナンパですか、能見さん」
『やめろや、人聞き悪い』
『能見、浮気か〜』
『矢野さんもやめてください』
「能見さん、投げないんですか?」
『勝負したいん?』
「はい」
『え〜、どうしよっかな〜』
すると突然、さっきまで茶々を入れとった矢野さんが
『岩貞と勝負せぇへん?』
と言ったので、遠慮なく勝負させてもらうことにした
…
勝負と言ってもブルペンのバッターボックスに立って
イメトレするだけやねんけど
「お願いします」
岩貞さんと真っ向から勝負するのは初めて
私は左打者で岩貞さんは左投手
ということは、左打者の私の方が不利ってこと
岩貞さんの1球目は
左打者のインコースからアウトコースのボール球になるクロスファイアー
『どうや?』
矢野さんに聞かれた
「レフト前です」
『今のボール、レフト前にすんの?』
「はい」
『お前すごいな』
2球目は膝元に抜けるスライダー
試合なら、さすがに手がでやん
3球目はアウトコース低めに落ちるフォーク
これは空振りやな
それから、何球かなげて次がラスト勝負
10球目はど真ん中のストレート
『最後はどこや?』
「バックスクリーンです」
『はは、岩貞やられたな』
『あゆかのイメトレ信用できないんで』
「めっちゃ負けず嫌いやん」
『お前に言われたくない』
『おい、あゆか』
『お前、11時から特打ちゃうんか』
「え、あ！やば」
「ありがとうございました」
岩貞さんにお辞儀をしてメイングラウンドへ急ぐ
.
特打は打ちっぱなしだからかなり疲れる
終わる頃には腕に力が入らないしマメが潰れる
「っ〜…」
消毒の痛みに耐えていると目の前に私の大好きなMATCHが
「熱男や」
『そのマッチちゃう』
「で、これ何ですか?」
『やる』
「え、中谷さんが? 私に?」
『自販機で自分の買うついで』
「今日雨降る」
『お前、俺のことなんやと思ってるん』
「見た目は大人、頭脳はミジンコ以下」
「っ、！ったいなぁ！」
馬鹿にしすぎたのか、思い切りマメが潰れたとこに消毒をぶっかけられた
しばらく痛みに耐えていると
『おい、飯行くぞ』
と、昼ごはんのお誘い
機嫌が悪かったんは気のせいってことでいいんかな?
.
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雛＠虎ガール(プロフ) - あゅかさん…(泣)最高です…(泣)もう、泣くしか…涙なしで読めないお話もありました…そんな中でも、更新が来る度に喜んでました…(笑)連載お疲れさまでした！ (2017年10月26日 16時) (
レス) id: 940eb26264 (このIDを非表示/違反報告)
あゅか(プロフ) - どるちぇさん» コメントありがとうございます！涙こらえながら必死に書いてます。更新しやんと前に進めやん気がして…(笑)なんとか頑張ります！ありがとうございます。 (2017年10月16日 21時) (レス) id: fb80dc2a31 (このIDを非表示/違反報告)
どるちぇ - 泣きそうになりながら読ませていただきました。わたしも良太の大ファンだったので凄く悲しいです。更新頑張ってください、応援してます。 (2017年10月16日 20時) (レス) id: 5836d3a37d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あゅか | 作成日時：2017年9月30日 21時
