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宮舘side
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「ねぇ、舘さんってふっかから何か言われたことない？」
何かを見透かしたような桜の目を見ると、たまに本当のことを言いたくなる。
宮「何かって、具体的に何か聞いてもいいやつ？」
「んー、言わなくても舘さんなら分かる気がするんだけど」
言葉を優しく包み込んだ遠回しな言い方に、桜の優しさを感じつつ｢何も言われてないよ｣と答えた。
何も言われてないのは、もちろん嘘。
わざわざ桜に言うことでもないし、何より本人の名誉もある。
あとは俺の気持ちも、かな。
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翔太と桜が和解し、グループとしても勢いがついてきた頃。
深「舘さん、今日仕事終わったら暇？」
宮「なに、珍しいね」
深「いやいや笑 たまにはいいじゃん笑」
いつもの調子で笑って話してるけど、きっとこれは真剣な話があるのだろうと誘いに乗った。
とりあえず個室がある居酒屋に行きふっかが話し出すのを待った。
深「舘さんってさ、」
宮「ん？」
深「桜のことちゃんと女の子として扱ってくれてるじゃん」
宮「うん」
深「だから、あいつがいつか女として生きる道を選んだ時は俺の代わりに舘さんが1番最初に背中を押してあげてほしい」
宮「そんな重要な役目、俺に託してもいいの？」
深「舘さんが1番女の子としてのあいつを見てくれてるから、それに」
宮「それに？」
深「俺、たぶん背中押すことできないから」
宮「…好きなんだ、桜のこと」
深「それは、答えない」
ふっかが答えないと言った瞬間、正直、俺は逃げたなと思った。
散々俺たちに「桜のことは好きになるな」「好きになってもその気持ちに気づかれるな」と言ってきたくせに、とも思うけど。
これがふっかの考えた最善策なら俺は受け入れる。
宮「馬鹿だなぁ…」
逃げたふっかも、託されたのをいいことに桜の隣にいることを決めた俺も。
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続く
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作者名：月 | 作成日時：2021年3月2日 19時
