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家族部屋、貴族部屋、族部屋
滝沢歌舞伎の楽屋はこの3つに分かれている。
「舘さん、助けて…」
宮「どうした？」
「あの人たち朝からほんとうるさい」
宮「あー、笑 さすが族部屋だね」
「笑い事じゃないって」
私の楽屋は、佐久間大介と向井康二と目黒蓮がいる族部屋と呼ばれる楽屋。
理由は、うるさいから。
「なんで私あの部屋なんだろ」
宮「そろそろ戻らないと準備できないんじゃない？」
「今2人が暴れてるから無理」
宮「暴れてる？」
「なんかコントみたいなの始めてさ、目黒もそれに乗っかるし」
宮「じゃあ、それが終わるまでここで待機だね」
と言った具合に、私はたまにこうやって貴族部屋に避難することがある。
しばらくすると佐久間くんとジーコのコントに乗っかっていた目黒が「ちょ、まじ帰ってきて」と助けを求めに来たから帰ることにした。
「お邪魔しました」
宮「またいつでもおいで」
「ありがと」
「あ、今日いつものだよね？」
宮「うん、いつものだよ」
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私と舘さんには、2週間に1回いつもの約束がある。
それは、舘さんの家で料理をすること。
ジャニーズに入って、幸せなことにグループにも所属させてもらってから、ファンの方や業界からの反感を買わないように男として生きると決めた。
私が男同然の振る舞いをすることに周りが当たり前になる中、舘さんだけは｢SnowManのために男の振る舞いをさせてごめん｣と言ってくれた。
それから｢SnowManのためだとしても、このまま女として生きる道まで俺らが奪うのはダメだと思う｣と言って、女として生きる最低限のことを教えてくれることになった。
舘さんは料理が得意だから、こうして2週間に1回のペースで俗に言う花嫁修業をさせてもらってる。
料理を作り終えて、帰る時ふと気になったことを聞いてみた。
「ねぇ、舘さんってふっかから何か言われたことない？」
宮「何かって、具体的に何か聞いてもいいやつ？」
「んー、言わなくても舘さんなら分かる気がするんだけど」
そう言って舘さんの目を見ると、いつもの読めない表情をしていた。
舘さんは、微笑みながら｢何も言われてないよ｣と答えた。
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作者名：月 | 作成日時：2021年3月2日 19時
