頼れるSEVENTEENの運転手は女だと気づかれません【SEVENTEEN】

回想編 ページ19

「あれー…？

確かここに置いたはず…。」

　

Aがテーブルの上を探していると、


　

「何探してる？」


　

ウォヌが飲み物片手に後ろから声をかけてきた。


　

「僕の腕時計ここに置いてたはずなんだけど、なくなってて…。」


　
チラッとウォヌの顔を見て困った顔をして言う。


　

「腕時計？どんなの？？」

　


「黒のスポーツタイプのもので、あまりゴツゴツしてないやつなんだけど…。」


　

Aはその腕時計を結構気に入っていたので、なくしたかもしれないと思うと、かなり落ち込んだ。


　

「昔、親友がプレゼントにくれたものなんだ。
だから…、」


　

「外したのはこの部屋？一緒に探すよ。」


　

ウォヌも一緒に探してくれることになった。



　
しかし、ゴミ箱の中を探しても、引き出しの中を探しても、どこを探しても見つからない。



　

「やっぱり僕の思い違いかな…、この部屋で外したんじゃないのかも。」


　

あまりにも見つからないので、半ば諦めていると、
ウジとミンギュが入ってきた。


　

「いやー、今頃ドギョミ困ってるだろうな。」




よくよく見ると、腕時計をくるくると人差し指で回している。
しかも、Aのものと似ている。


　

もう少しウジの話を聞くと、


　

「あいつがなんでもかんでも色んなところに物を忘れるから少し学ばないとな。

でもこんなところに腕時計置いておくかね。」




ミンギュといたずらっぽく笑うウジだが、それをガン見しているAには気づいていない。


　

ウォヌも何かを察したようで、



「お、落ち着け。あれはわざとじゃない、わざとじゃ…。」



となだめているがAの顔は"無"だった。




「ウジヤ、その腕時計どこで見つけたの？」


　
「ん？ここのテーブルの上。
ドギョミが忘れたんだ。」


　

「その腕時計よーく見てみて？
ちょっといじくってあるでしょ？」



「…あ、本当だ、じゃあドギョミのじゃないかも。
でも、誰のだろう。」




「僕、1時間くらいずーっとここのテーブルに置いていた腕時計探してたんだよね。
ちょうどそれとおんなじやつで、いじくってる所も一緒なもの。」



ウジはここで何かを悟ったようだ、
冷や汗をかいている。



「ウジ、まさか僕の腕時計を持っていってくるくる回してたわけじゃないよね？」



笑顔だが、目が笑っていない。




「ご、ごめんなさい！！！」



そして何故かミンギュも巻き添えをくらったのだった。

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