命こそ愛ほしい。【文スト】 (ページ7)

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４　医者の休日ページ7

医者のくせに休みを貰ったぜ。

　いいのか医者なのに。

　ま、いいだろ。首領は元闇医者だろう？

　ﾌﾊﾊﾊﾊ。今日は1日思いきり楽しんでやるぜ！

　ﾊﾞｼｬﾝ...

「え」

　ん？いや、実はヨコハマのある川にかかった橋でこういったことを考えていたんだけど、

　い、今、人が川に落ちた気が……。

「今助けます」

　大丈夫。泳ぎに自信はある！

◆◇◆

「はーっはーっ。つ、つらい……」

　やっぱり部屋で引きこもっているのは善くないな。

「ｺﾞﾎｯ……あれ、生きてる」

　しかも此の人、なんか前に「自殺をたしなんでる」とか云ってたひとじゃん。

　私の目の前で入水してんじゃねーよコノヤロウ。私までびしょぬれじゃねーか。

「おや、マフィアのお医者さんじゃないかい」

「……」

「も、もしや私の名前を覚えていないのかい!?

　太宰治だよ、だざいおさむ！

　あれ、聞いてない」

　いやね、この人と絡むと嫌な予感しかしないのよ。

「はー。まさか近くに命を救う正義の味方が居るなんてね。今日も私の自殺は失敗だ。

　そうだ！どうせ暇なのだろう？私と心中してくれたま──」

　ﾍﾞﾁﾝ

「断る!!」

「い、痛い……非道いなぁ」

　さっさとこの場を立ち去ろう。そして服を着替えよう。

　私は巷で有名な喫茶店に用があるんだよ。

◆◇◆

「な、な、なんでついてくんの!? しかも服そのまんまだし！」

「偶然だねぇ。いやなに、私も此方(こっち)の方に用があるのでね」

　こ、ここが噂の喫茶店……。

「いらっしゃいませ」

「あら太宰さん、いらっしゃい」

「いやぁお姐さん、今日もお綺麗だね」

　……ファっ!?

　店員とコイツが知り合い……!?

「あっ、太宰さんまた入水してきたんですか!? 早く着替えてきてください！」

「えー、なんだか敦くんがお母さんみたいに見えてきたよ……」

　あ！芥川くんと戦ってた虎だ！

　その向かいに居るのは──

「おンや、Aじゃないか」

　よ、よ、よ、

「与謝野さぁん!!」