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はあ…と男が溜め息をついた瞬間、さっきまで静かだったはずのビルとビルの隙間から小さな呼吸音が聞こえて来た。
慌ててそちらに駆け寄ると、そこには弱弱しく横になっている女性。
金網を捻じ曲げ、女性の肩を軽くたたくと、「…ぁ」と小さな声が聞こえた。
生きている！
焦りながら女性を背負って振り向くと、すでに男はいなかった。
だが、それよりも赤ん坊と女性が心配だ。
早く病院へ連れて行かなければ…。
急いで承太郎に電話をし、たたき起こす。
さらに典明にも電話をする。
「…待っていろ、か」
その場で待つこと10分。
止まった車に乗り込むと、すでに中では医者が待機していた。
「…どうだ？」
「赤ちゃんの方は元気ですが…母親の方の衰弱がひどいです。
持って明後日まで……というところですかねえ？」
「…そうか。すまないな」
点滴を受け、少しだけ頬に赤みがさした女性の頭をなでる。
うっすらと目を開けた女性は、「…ぁ、かちゃ……は？」とささやくような声を出した。
「元気だそうだ。少し休めば健康体になると。
見ず知らずの男にこんなことを言われても怪しむとは思うが…」
言いかけて見ると、女性は安心したのか目を閉じていた。
呼吸はしている為、一応生きてはいるらしい。
明け方前。
女性は、息を引き取った。
最後の言葉は「たくま」と。
どうやら赤ん坊の名前らしい。
「この子は昨日から俺のスタープラチナに触って、花京院のハイエロファント・グリーンも見てる。
つまり、スタンド使いの素質があるっつーことだ」
「そうか」
「てめーのところで育ててもらおうか」
「……碌な教育が出来なさそうだな」
「お前の息子たちと妹もいるし、一応部下もいるじゃあねえか。
じじいのところは静で手いっぱいだし、俺も今それどころじゃあねえ」
「……典明はどうだ？」
「無理だな。あいつも忙しい。
ついでに言えばアブドゥルも世界中飛び回っているし副業の占いもある」
「む、ふむ……」
完全に論破された。
この後もいくつか言い訳をしてみたがすべて撃破され、琢馬は私たちが育てることになってしまった。
もう元気だから連れて帰っていいと言われ、大量の赤ん坊の者と一緒に車に乗せられ、家の前で下ろされた。
「あら……誘拐ですか？お兄様。犯罪はいけませんわよ」
「違う」
かくかくしかじかと事情を説明すると、「あら！じゃあ私の姪ですわね！」とすごく喜ばれた。
…まあ、可愛い妹が喜んでいるのならいいか。
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ｱｲｳｴｵ(プロフ) - 受難１を数ページ見て感動した、すごい平和的だしDIO様優しいし、平和のほうもエエなと思った。 (2022年5月13日 3時) (
レス) id: dcadc60966 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 死音心音2.0さん» こちらこそありがとうございます！番外編などもそのうち書くので気長にお待ちください！← (2020年3月25日 7時) (レス) id: 25bb83b486 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - 完結、一先ずおめでとうございます！いつも楽しく読ませて頂いておりました。次回作と番外編、楽しみにしております。素晴らしい作品をありがとうございました!! (2020年3月22日 23時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
月明かりに導かれる者 - 初見です！初めてこの小説を読みましたが読んでいて話にのめり込んでしまいました(笑)面白かったです！更新頑張ってください！ (2019年6月20日 21時) (レス) id: 866b9f0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 闇夜さん» ご指摘ありがとうございます！訂正させて頂きました！ (2019年5月17日 23時) (レス) id: 0fe9064a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あゆ | 作成日時：2018年9月12日 12時
