〜甘い夜〜【永瀬廉】

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「あ、店長！！」


永瀬『……気分よ。』


「ふふふ、髪も黒くしたんですね！」


永瀬『だから、気分や。』






＿＿イメチェン、してみませんか？






その言葉通り

店長は次の日から身なりを気にし始めた。

勿論、店長だけでなく私も。






無地のシャツに

デニムではなく

細身のスラックスパンツを履いて来たり






アクセサリーは

あの日から一切付けて来なくなったり






そして今日は

髪を黒く染めていた店長。






私は

恥ずかしそうにしている店長を見上げて

素直な気持ちを口にした。






「そっちの方が、好きです。」


永瀬『……』


「すごく似合ってます。ふふふ」






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12月が終わり

冬休みは勉強とバイト付けの日々






あっという間に日も過ぎて






2月






まだまだ白い息を吐きながら

マフラーに顔を埋めて

ブレザーのポッケで両手を温める。






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ガラガラ〜






永瀬『A！！』


「わっ、ど、どうしたんで」


永瀬『早よ来て！こっち来て！見て！！』


「あ、はい！」






扉を開けると

満面の笑みで手招きをする店長。






私は慌てて店長の隣に腰をかけ

パソコンの画面を見てみると、






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「…あ！！これ」


永瀬『そう！！上がってんのよ！』


「増えてる、…新規のお客様が増えてます！！」


永瀬『やろ？めっちゃ上がってきてんねん！』






ずっと右肩下がりだった

新規顧客のリピート率や新規獲得率。






それが1月を終えたあたりから

明らかに上がっていて






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私と店長は

静かに見つめ合い






そのまま、






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永瀬『Aーーーー！！！！』


「てーーんちょーーーーー！！！！！」






私達は抱きしめ合って

喜びを分かち合う。






店長は私の身体をユサユサしながら

思いっきりギュッと強く締め付けて

なかなか離そうとはしない。






永瀬『Aのおかげよ！マジマジ！』


「ふふふ、店長の努力の結果です」


永瀬『いーや、これはAのおかげ。絶対！』


「あははっ、ち、ちょっとだけ…苦しいです」


永瀬『え？』






すると、






永瀬『…っ！！』






いきなり私の身体を突き放し

何故か驚いた表情をして固まる店長。






永瀬『…ごめ』


「ふふ、全然大丈夫です。」


永瀬『……』


「店長？」


永瀬『……』






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ん？






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