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永瀬『ええって。…ごめん俺が気ぃ遣わしたな。』
「そ、そうじゃなくて」
永瀬『……?』
コテンと首を傾ける店長に向かって
私は恐らく第2のおせっかいを
言おうとしている。
別に働ければそれでいい。
お金を稼げるならそれでいい。
まかないもあって
融通も効いて
別にこのままでもいい。
なのに何故だろう。
永瀬『そうじゃなくて、なんや。』
店長を見ていると、
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「一緒に働いているんだから、…もっと
そのぉ…わ、私を頼って欲しい…です。」
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ほっとけない。
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驚いたように目を見開き
その場で固まっていた店長は、
徐々に状況を把握し始めたのか
わざとふざけるように口を歪ませる。
永瀬『頼ってるやん。』
「……」
永瀬『むしろだいぶこき使ってんで俺。んふふ…』
全然…
そういう頼るじゃなくて…
「店長が難しい顔をする度に、
自分は愚かで、…悔しくなります。」
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「微力かもしれません。でも、
…同じ働く仲間として、あのお店を良くしたい。
そう思うのは、やはり…おせっかいでしょうか。」
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永瀬『………』
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微力どころか、ゼロに近しい。
ただの高校生に何が出来るというのか。
でも、
少しでも店長が…
永瀬『アホ』
「…!?」
永瀬『………』
微力でもなく、おせっかいでもなく
アホ呼ばわりですか。
割と、勉強は出来る方なんだけどなぁ。
そんな呑気な事を考えているうちに
店長は私の目の前まで歩いて来た。
背の高い店長を見上げると、
優しく笑いながら
長い腕がこちらへと伸びてきて
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永瀬『おせっかいじゃないよ。』
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私の頭を、柔らかく撫でる。
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永瀬『昨日はキツい言い方してごめんな。』
「……」
永瀬『でも、おかげで目覚めたわ』
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そして、
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永瀬『俺を、助けて。』
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ポンポンっと私の頭をした後
店長は腕を下ろし、
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永瀬『Aの力を貸して下さい。』
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恥ずかしそうに頬を掻きながら
店長は優しく笑って言った。
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ayu(プロフ) - にこさん» 他担さんですか!?ええ、嬉しい\(//∇//)\★店長永瀬に沼落ちでしたか!?やった★これからも私の自由な妄想にお付き合い頂けると幸いです★ (2021年6月7日 23時) (レス) id: 48c3815e05 (このIDを非表示/違反報告)
ayu(プロフ) - ☆。..*アイス*..。☆さん» アイスさん(o^^o)最近、占ツク低浮上ですいやせぇん…m(_ _)m笑 どのお話も大好きだなんて…★もう、好き!アイスさん好きー!!!\(//∇//)\ふふふ (2021年6月7日 23時) (レス) id: 48c3815e05 (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 初めまして☆他担ながら、こっそり拝見させて頂いてました!(笑)ayuさんのお話の進め方や言葉の選び方が本当に素敵で、引き込まれて沼落ちしたのがこの作品です!店長最高。どのお話もすっごく好きで、更新楽しみにしてます◎頑張ってくださいね。 (2021年6月7日 21時) (レス) id: 2beed3f33a (このIDを非表示/違反報告)
☆。..*アイス*..。☆(プロフ) - ayuさん!いつも楽しく読ませてもらってます!どのお話も大好きで大好きで…!Twitterの方にも感想を送らせてもらってます!あとコメントにありますが、題名や設定などは読んでいれば分かる話でしょう。ayuさん気にしないでくださいね!これからも楽しみにしてます! (2021年6月7日 14時) (レス) id: b777a69647 (このIDを非表示/違反報告)
米 - 題名の『甘い夜』にした理由を教えてください。よく分からなかったので。 (2021年6月7日 13時) (レス) id: 6420a4fbbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ayu | 作成日時:2020年11月8日 7時