〜甘い夜〜【永瀬廉】

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新聞配達を辞めることにした。






深夜に起きなくてもいい生活なんて

本当に久しぶり過ぎて

最初は嬉しくてなかなか寝付けなかった。






相変わらず警備の仕事は続けるも

新聞配達が無いと思うと

やっぱり気が少し楽になった。






そして、






「買い出しですね」


永瀬『おん。』


「あの、店長」


永瀬『ん？』






正(まさ)での仕事も

あの日から大きなミスをする事なく

店長と上手くやっていた。






まだ未だに店長は

大丈夫か？

と私の顔色を

心配そうに覗いてくる事もあるけれど

それはそれで、嫌な気にはならなかった。






「…買い出しの時に、ちょっと追加したい物が。」


永瀬『追加？なに、なんか足らん物あった？』


「足りない…と言いますか、えーっと…」


永瀬『…んふ、なんか知らんけど別にええよ。』


「え？」


永瀬『好きなもん買って来い。』






私の頭を優しく撫でて

店長は台所へと戻る。






なんか、

お父さんみたい。






「………」






そんな事を思い浮かべながらも

私は少し頬を染めて

買い出しへと向かった。






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永瀬『おーおー』


「へへへ…」


永瀬『ショッピングしてきたんか、お前。』


「いや、…こ、これはですね」






某有名ブランドの洋服が入った紙袋を見て

さすがの店長も苦笑い。






私はすぐに紙袋から

洋服を取り出し






そのまま目の前に立つ店長の体に

洋服を合わせてみた。






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永瀬『なに？』


「うん、やっぱりこっちがいい」


永瀬『……？』






首を傾げて

不思議そうに私を見下ろす店長に

私はこんな話をしてみた。






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「私、実はあの1週間いろいろ考えてみたんです」


永瀬『…ん？』


「何故この店に新規顧客がつかないのか。」


永瀬『…あ〜。…おん。ありがと。』


「はい。」






その1週間で

あることに気がついたのです。






それは、






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「店長の見た目と、料理が合ってないです。」


永瀬『……へ？』






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