〜甘い夜〜【永瀬廉】

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「…うわ。…これはまずいぞ。」






期末テスト

私は手を震わせながら点数を見た。






71点






かなり、成績が下がってしまった。






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最近はバイトが終わって帰ると

すぐに眠ってしまう。

あっという間に2時になるので

家での勉強時間が格段に減った。






でも、これはかなり緊急事態。






今日から、

バイト終わりにカフェでも寄って勉強しよ。

家に帰れば、寝てしまうもの。






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ガッシャーーーン






永瀬『っ！！』


「す、すいません！お客様…お怪我ありませんか？」






グラスを盛大に落としてしまい

私は慌ててお客様に駆け寄る。






幸い怪我も、洋服も汚す事もなく

Aちゃんこそ大丈夫〜？

とむしろお客様は心配をしてくれた。






「…申し訳ございませんでした、新しい物をすぐ」


永瀬『お客さん、大丈夫すか？』






すると、

台所に居たはずの店長が

突然私の視界に入る。






「…店長」


永瀬『ほうき、持ってきて』


「…すいま」


永瀬『ええから、早よ持ってきて。』


「……」






私の方は見ようともせず

店長は大きなガラスの破片を拾い集める。

その横顔は、とても恐ろしいものだった。






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「…私、やります。」


永瀬『貸してそれ。』


「…私が落としたので私が、」


永瀬『お前帰れ。』


「…っ！？」






私の手に持つほうきを

乱暴に奪い取り店長は






永瀬『今日は帰れ。』


「…でも」


永瀬『迷惑』






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そう言って

店長は黙々とガラスの破片を片付けた。






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私は下を向いて歩く、

今日は珍しく肩を落として。






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＿＿迷惑






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役に立つどころか

迷惑だと思われてしまった。






グラスを破ってしまった事に

店長はかなりご立腹の様子だった。






気をつけなくちゃ。






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気をつけないといけない事

最近、多いな。






テストの点数も

授業態度も

バイト中も






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「…はぁ。……」






最近、全然うまくいかない。






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