～小さな世界～【永瀬廉】２ (ページ27)

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だから

まさか廉からクリスマスプレゼント

と言うワードが出てくると思わなくて

永瀬『…え、なに？』

「…ふふふ。」

永瀬『なんやねん。』

「いや、なーんにも？」

来週のクリスマスデート

もしかして廉も楽しみにしてたりするのかな。

そう思うと

なんだかニヤニヤが止まらなかった。

「ふふ、私は何も要らないかな。」

永瀬『なんで？』

「だってもう満たされてるから。」

永瀬『んふふ？え、なにどういう事？』

ショーウィンドウから離れて

私はまた廉の腕を引き、

ゆっくりと歩き始める。

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廉は、とても優しい人だった。

初めて会った頃の廉からは

全く想像出来ない程。

私を見るときの視線や

触れるときの体温

言葉や仕草すべてが

とても暖かく優しいものだった。

私が楽しい時は

廉も何故か嬉しそうで

私が疲れている時は

そっと静かに寄り添ってくれて。

永瀬『遠慮すんなよ。』

「してないよ？本当に要らないもん。」

永瀬『じゃあ勝手に買うからええわ。』

「え？」

廉はいつだって

自分の事よりも私を優先しようとする。

私を喜ばせようと

私を楽しませようと

廉は時に無理をしようともする。

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一緒に居れるだけで

私は満足なんだけどなぁ。

「じゃあ、廉は何がほしい？」

永瀬『俺はマジでなんも要らん。』

ほらね。

絶対こう言うと思ったよ。

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「なんで要らないか教えてよ。」

永瀬『んふふ、なにがよ。』

「もしかしたら、私と同じ理由かもよ？」

永瀬『……』

私はわざと上目遣いをして

パチパチと瞬きをしながら廉を見つめた。

すると廉はそんな私から目をそらして

頬を少し赤く染める。

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永瀬『そうやといいな。』

「あー、言わないつもりでしょ。」

永瀬『んふ、…言わんよ。』

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