～小さな世界～【永瀬廉】２ (ページ26)

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あれから3ヶ月が経ち

街ゆく人々は

分厚いコートに身を包む。

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「あっ、ねぇ！」

同じスピードで隣を歩くその人の

腕をグイッと引っ張って

「ふふふ、可愛い…」

思わずショーウィンドウの前で立ち止まる。

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永瀬『ツリー？』

「うん！」

色鮮やかな装飾が散りばめられた

背の高いクリスマスツリーに目を奪われた。

不思議そうな目をして

ツリーを眺める美しい廉の横顔に向かって

私は軽い気持ちでこんな事を言ってみた。

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「廉、これ買ってよ。」

すると廉は鼻で笑い

こちらを見下ろす。

永瀬『…んふふ、大き過ぎるわ。』

「え、小さかったらいいの？」

永瀬『…おん、別にええよ。』

意外な答えに少し驚いた。

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時々、混じる敬語も無くなった。

廉と呼ぶようになった。

あれから一緒に住み始めて

家事もお互い分担し合いながら

特にぶつかり合う事なく

今も穏やかに暮らしている。

休みが被れば

家でダラダラと過ごす日もあれば

今のように外へ出かける事もしばしば。

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寒さを凌ぐように

肩を寄せ合いながら歩く賑やかな街。

永瀬『てか、プレゼント何がいい？』

「え？」

廉は、ふと思い出したかのように

永瀬『クリスマスプレゼント。』

「……」

と言いながらも、

どうやら恥ずかしいのか

目の前のクリスマスツリーへとまた視線が移る。

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ほんの数日前の事

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“クリスマスデートしようよ”

私の何気ない一言に

廉はポカンと口を開けたまま固まる。

「…あれ、嫌だった？」

永瀬『………』

何か嫌な思い出でもあるのか

それとも単にクリスマスデートが嫌なのか

何故かずっと廉は黙り込んだまま。

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すると、

「…あ、いや、別に嫌だったら」

永瀬『クリスマスって、ごめん…何するん？』

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廉は申し訳なさそうに髪を雑に掻きながら

私にこう言った。

永瀬『あんま気にした事無かったから。』

「……」

永瀬『…クリスマスとか。』

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