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69 Ren side ページ25

ren side…






頬を染めながらムスッとするAの額に

優しくキスを落とした。






『呼んでくれへんの?名前。』


「……」






恥ずかしいのか

急に俺の胸に顔を埋めるA。






Aの小さい肩を抱き寄せて

ギュッと優しく包み込む。






.






.






薄い空気の中

俺は必死で踠きながら生きてきた。






楽しみなんて何もなくて

面白いなんて事もなくて






むしろ

それ以外の生き方が分からないまま

ずっと一人でやってきた。






.






.






「…廉。」


永瀬『……』






.






なのに、不思議やな。






あんな灰みたいな生き方

もう忘れてもうたわ。






Aがおらん世界なんて

今は想像すら出来ひん。






むしろ、






.






永瀬『…もう一回呼んで。』


「……」






.






Aだけでいい。






Aさえ居れば

もう他に欲しいものは無い。






これはこれで

多分アウトなんかもしらんけど。






.






.






「…廉、…」


『んふ、もう一回』


「…やだ。…早く寝よ。」


『なぁんでよ。寝んなって。…なぁ』


「……」






…本間に寝た。






.






.






多分

俺は人よりちょっと歪んでると思う。






Aへの気持ちは

恐らく普通じゃない。






.






好きよりも

愛してるよりも

もっと上のやつ。






名前があるなら、

俺は多分それ。






.






Aをこのまま

どこにも行かないように閉じ込めて

俺だけしか見れないように

俺だけの事しか考えられないように







全部俺が

コントロール出来たらとさえ思う。






まぁ、嫌われたくないから

そんな事せぇへんけどね。






.






A






.







Aだけは

俺から離れて行かんとって






.







その不安はきっとこれからも

ずっと頭の片隅に置いたまま






それを確かめるような事して

Aを傷つけてしまいそうで怖い。






.






.






好き過ぎて怖い






まさかこんな事で

悩んで眠る日が来るとは






あの頃、思いもせんかったな。






.

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設定タグ:永瀬廉 , 盒恭た   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ayu | 作成日時:2020年10月23日 20時

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