～小さな世界～【永瀬廉】２ (ページ24)

今日:27 hit、昨日:18 hit、合計:444,832 hit

68 ページ24

.

家に上がるなり

壁に身体を押し付けられて

永瀬さんの止まらないキスが始まった。

部屋の中を見る余裕もなく

わざと私の視界を閉ざすかのように

何度も何度も、

角度を変えて唇を押し当てられて

「…永瀬…さ」

永瀬『……』

それは息が苦しくなるほど。

静かな部屋の中に

唇の重なる音だけが鳴り響く。

徐々に深いキスへと変えて

互いに息を荒くして

私の腰にあった永瀬さんの手が

ゆっくり上へとずらし始めて

「…待っ」

永瀬『…なに？』

思わず

私はその手をストップさせた。

伏し目がちに私を見る永瀬さんの表情は

もう色気がダダ漏れ。

「…お風呂、入りたい。」

永瀬『…ええやんそんなん。』

「やだよ……」

永瀬『じゃあ、一緒に入る？』

「それもやだ…」

永瀬『……やだやだばっかりやな。』

.

永瀬さんは眉を下げて不服そうに

私の頬を優しく撫でる。

.

「…まだまだ、時間はたっぷりあるでしょ？」

永瀬『……』

私はそう言って

チュッと軽いキスをすると、

.

.

永瀬『言うたな？』

「ん？」

風呂の用意してくるから待ってて

と、今度は満足そうに

私の頭をポンポンとして

そのまま脱衣所へと消えていった。

私、なにかまずい事言いました？

.

.

.

永瀬さんの部屋は

とても殺風景だった。

生活感もなく

薄暗いシンプルな部屋。

.

トロンと重たい瞼を薄く開けて

私は静かにそれを見渡す。

永瀬『…んふふ、…さすがに眠い？』

「…当たり前でしょ。」

永瀬『俺はまだいけんで』

「…私はもう、…くたくたです。」

ベットシーツの上

熱くなった身体を抱きしめ合いながら

事の後の時間を味わう。

時間はたっぷりある

その言葉の通り

え？

え？ちょ、

な、永瀬さん！？

永瀬さーーーーーーん！！！

…というような夜を過ごした。

.

「永瀬さんは眠たく」

永瀬『廉って呼んでや。』

「……」

.

急に恥ずかしくなり

私は目をそらすと

私の長い髪を指で通しながら

永瀬『さっきは何回も呼んでくれたのにな？』

「…もう恥ずかしいから思い出させないで」

永瀬『…んふふ。』

.