～小さな世界～【永瀬廉】２ (ページ20)

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永瀬『でも、男に話しかけられとったから』

「…男？」

永瀬『うん。だから引き返した。』

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男？

患者さんかな？

それともー…

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＿＿Aさん！！今日、飯とかどっすか！？

「あっ！岸くんの事かな？」

永瀬『知らん。』

「男性ナースだった？」

永瀬『多分。』

なんだ。

永瀬さん、あの時近くに居たんだ。

なんだ。

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「…会いたかったなぁ。」

永瀬『……』

ついこぼれてしまった言葉に

私はある程度時間が経って

ようやく気付く。

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「…ッえ、や！！違う、これは、その」

永瀬『んふふ、違うん？』

「へ！？いや、その違うって言うか、えっと」

永瀬『俺は会いたかったけどな。』

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永瀬『会いた過ぎて、死ぬかと思った。』

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電話越しに聞こえる声は

普段より少しだけ低くて

言葉に一層の重みを含ませる。

ドキッと音が鳴る胸に手を置いて

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「…私もずっと、会いたかった。」

永瀬『……。』

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早く明日になって、

直接声を聞きたいとそう願い

永瀬『…Aが家着くまで電話しよ。』

「ふふふ、それ海人の携帯でしょ？いいの？」

永瀬『さぁ、いいんちゃう？…ふふ』

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今日はやけに長い夜を過ごした。

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