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新しい場所
新しい人達
新しい知識
とにかく
異動初日からもうバタバタだった。
人間関係を築けるタイミングも掴めないまま
忙しい毎日を過ごしていた。
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時には
心が折れそうになる。
なんでそんな事で
怒られないといけないの！？
と不満なんかも出てくる。
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だけど、
＿＿俺は、Aに救われた。
そんな時は
思い浮かべる。
愛おしい人を。
私の大切な人を。
会えなくても
声が聞けなくても
いつだって私の支えとなってくれた。
あ、それと！
なんだか向こうでは
また永瀬さんに新たな変化があったようで。
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“今日もリハビリ頑張ってたよぉ〜”
“廉の脚の固定が今日はずれたよ！！”
“退院日が早まるかもだってぇ！！”
“廉がAに会いたそうだったよ”
“あ、やば。さっき送ったやつ廉に見られた”
“怒られたよ★“
永瀬さんの状態報告のようなメッセージが
毎日海人から送られてきた。
「…ふふふ。凄い仲良くなってるじゃん。」
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永瀬さん
私も早く会いたい
早く会って声が聞きたい
日に日に増して行く想いは
今日もグッと抑えて＿＿
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異動した日から、
早いもので３週間近くが経ち
9月
半袖では
そろそろ肌寒くなる季節
「お疲れ様でした〜」
岸『Aさん！！今日、飯とかどっすか！？』
「あー…、すいません今日はちょっと」
岸『あ、いや逆にすいませんッ！！』
徐々にスタッフとも馴染み
季節と共に過ごしやすくなってきた。
仕事が終わり、私服に着替えて
病院を出てすぐの所で
〜♫
携帯が鳴る。
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それは海人だった。
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「もしもし、海人どうしたの？」
『……お疲れ。』
「………」
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明らかに海人とは違う声に
私は足を止めて、胸を高ぶらせた。
「…え、…永瀬さん？」
永瀬『…んふふ、…すぐ分かった？』
「…勿論、分かりますよ。」
電話越しに聞こえる永瀬さんの声。
おそらく3週間ぶりに聞くその声に、
「…お久しぶりです。」
永瀬『…久しぶり。』
良い意味で
私は息苦しさを覚えた。
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作者名：ayu
| 作成日時：2020年10月23日 20時
