～小さな世界～【永瀬廉】 (ページ3)

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“はい、今日のミーティングは以上！！”

次の日

朝のミーティングを終え、

隣に居た海人が小さく一言

髙橋『俺、なんも言ってないよ？』

「嘘だぁ！！！」

髙橋『アハハハッ、本当だって！』

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何故か、

ここ数日ずっと海人が苦戦し続けていた

あの無口な患者さん、

「なんで私が？…」

永瀬さんを

今日から私が受け持つ事となった。

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私の肩にポンッと手を置いて

髙橋『俺、多分性格的に合わなかったんだよ。』

私を哀れむように見下ろしながら

うんうんと頷く海人

「なにが、うんうんよ…」

髙橋『ったぁ！！叩かないでよ痛いからぁ』

バシッと軽く叩いてやった。

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あのやろう、海人め。

どうせ、目をクリクリッとさせながら

先輩に、お願い？なんて言ったんでしょ。

可愛いを熟知しやがって

くっそぉーー…

先輩も、先輩だよ。

あざと可愛いに騙されてんじゃないよ、まったく。

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…絶対何か奢って貰わないと気が済まない。

心の中でぶつぶつと不満を呟いていると

あっという間に部屋の前に辿り着く。

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「…ふぅ。」

とりあえず深呼吸をする。

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コンコンッ

ノックをする。

勿論、返事はないので

勝手にガラガラ～と扉を開けると

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「……」

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部屋のど真ん中にある一台のベット。

そこに上半身を起こし、

窓の向こうを静かに眺めている永瀬さんの姿。

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恐る恐る近づいて行き、

私は軽く自己紹介を始めた。

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「初めまして、今日から担当させて頂く…」

しかし、

永瀬さんは

こちらに顔を向ける事なく

窓の向こうに置いた視線は変わらない。

こんなに近くで声を発しているというのに

全く微動だにしないその精神は、賞賛しよう。

私は、

自己紹介を途中でやめた。

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そのかわりに、

端麗な顔立ち

滑らかで少し日焼けした肌には痛々しい擦り傷

前髪で半分隠れた切れ長な瞳を

私はじっくりと観察した。

…噂には聞いていたけど、ほんと綺麗な人。

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太陽の光りに反射した金色の髪が

やけにキラキラと輝いて見えた。

薄く透き通った瞳の奥に

一切の感情は見えなくて

本当に美しいお人形のようだった。

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