～小さな世界～【永瀬廉】 (ページ15)

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ユニフォームに着替える。

ナースステーションに着くと

患者様のカルテチェック

ナースリーダーの申し送りを受けてから

業務を開始する。

今日は朝一から手術予定の患者様が居たため

私は患者様の送り出しや準備に追われる。

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髙橋『A～。』

「はぁー、朝からバタバタだった。なに？」

髙橋『…こっちもだよ。』

「……？」

私は午前中の業務を終えて

ナースステーションに戻ると

またまた暗い顔をして座っている海人に

何故か鋭い目つきのまま声をかけられた。

髙橋『ちゃんとご飯食べるようになったんだよね？』

「…ん？…あっ！永瀬さん？うん、そうだよ！！」

実は昨日

あれから昼食も、夕食も全て平らげてくれた。

文句だって言わなかったし

スプーンを口に運ぶとちゃんと食べてくれるの。

うん。

とか、

ん。

とかだけど、

小さく返事もしてくれるし。

いやーー、感動したよね。

日々の努力が報われたって感じ。うん。

髙橋『それ、…本当の話？』

だけど海人は頬杖をつきながら

そんな私を疑いの目で見てくる。

嘘じゃないよ？

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「え？…うん。昨日初めてちゃんと、」

髙橋『さっき朝食、一切食べてくれなかったよ？』

「………。」

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沸々と込み上げる感情を抑えながら

私は早歩きでドスドスと足音を立てながら

病院の廊下を歩いていく。

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おい、永瀬。

一切食べなかったとはどういう事だね。

あれは、奇跡。

だなんて言わせないよ私。

なんでさ。

なんでなのさ。

昨日は食べてくれたじゃん。

大人しく口開けてパクパク食べてたじゃん！

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ガラガラガラガラ～

「こら！！」

永瀬『……！』

勢いよく扉を開けたからか

目を丸くしてこちらに顔を向ける永瀬さん。

私は、ズカズカとベットへ近づく。

永瀬さんのまん丸な瞳が

自然な上目遣いとなり更に小動物感が増す。

「ご飯食べなかったんですか？」

永瀬『……』

だけど、

私の言葉を聞いた途端に目をそらし

そんなことか

みたいな顔をする。

「なんで食べてくれなかったんですか？」

永瀬『……』

「昨日は、ちゃんと食べてくれたのに。」

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すると

ずっと目を伏せていた永瀬さんは

はっきりとした口調でこんな事を言い始めた。

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